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外壁塗装においての色の選び方1【総括編】
外壁や屋根の色選びは、楽しみながらも重要な決断です。
「どんな色にするかな?」と考える一方で、「選んだ色が似合わなかったらどうしよう?」や「イメージチェンジは正解なのか?」という不安もあるでしょう。 失敗や後悔を防ぐために、色選びのコツとポイントをご紹介します。また、最近のトレンドカラーもチェックしましょう!
【動画で確認「外壁塗装の色選び」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
人間の目の特性(1)
面積効果により同等の明るさ・色でも明暗の見え方が変わる
人間の目は、同様の明るさ・お色であっても面積が小さい場合暗く、大きい場合はより明るく鮮明に見えてしまうという特性があります。これは、面積効果によるものです。
面積効果を理解した後では、同じ明るさに見えてしまうかもしれません。
しかし、この効果を理解していない場合、「明るく見えるのは大きい方」と答える方が非常に多いでしょう。
お客様がお色選びをする際、ほとんどの場合は小さい色見本を参考にします。色見本は、縦・横ともに数cm程度の大きさしかなく非常に小さいです。一方、実際の外壁の面積は塗料のカタログ・日本塗料工業会の色見本はもちろん、色番号を指定する事でメーカーに作成してもらえる塗り板などのサンプルと比較しても非常に大きいです。
同色であっても色の見え方は面積によって異なる
サンプルと実際の外壁の差は数百倍程度では収まらず、ほとんどの場合は例え1面であっても数千倍以上です。その為、面積効果によってサンプルで確認した色よりも確実に明るく見えてしまうでしょう。色選びのポイントとして、サンプルを参考にその色より1段階~2段階暗めの色を選定するとその差を軽減させる事が可能です。
また、面積効果の注意点として「黒」「グレー」などの明度が低い色の場合、面積が大きくなるにつれて暗く感じるといった逆の感覚になります。視界の大部分を明度の低い色が占める事で暗く感じる為です。見る対象の大きさ・距離によって見る色の感じ方は異なります。
人間の目の特性(2)
明度の対比により同色で塗装しても濃淡・明暗が変わります
例えば、ツートンなどで塗り分けを行った場合に色合いの濃淡や明度は、隣接する外壁色によって変動します。これは、明度対比いう現象です。
ツートンの片方を比較的落ち着いた色で塗装し、隣接した外壁を鮮やかな色で塗装しますと必要以上にヴィヴィッドに感じられるでしょう。明度の高い色で塗装を施しますと、本来の色よりさらに明るく感じられてしまいます。
片方を落ち着いた色で塗装し、隣接する外壁に明度の高い色を塗装される場合にはワントーン暗めのお色を選定する事で、イメージに近づける事が出来ます。
また、逆に落ち着いた色と暗めの色を合わせるときには、必要以上に暗く見えてしまう可能性もありますので、ワントーン明るめの色を選定しましょう。明度対比を理解しておくことで、錯覚によるギャップを抑えることが可能です。
外壁の一部にタイル貼りが使用されているお住まいも多いと思われます。タイル部分は塗装が出来ない特徴がある為、他の部分のカラーを変える事で「タイルの色を活かしたカラーリング」でお住まいを素敵にしたいと考えられる方も多いでしょう。こうした場合にも明度対比を考慮する必要があります。
無彩色(白~黒の色味が無い色)やそれに近いお色で塗装を行う場合、タイルの色を薄くしたような色で塗装されている様に見えたり、想像以上に明暗がくっきりと分かれる状態になってしまう可能性があります。
人間の目の特性(3)
太陽光・照明によって物の色は変わってくる
ご存知の様に景色は時間帯によって見え方が大きく変わります。中でも夕刻は著しく、夕焼けの影響で街並みを含めてなにもかもがオレンジ色に見えてしまうでしょう。晴れている昼間は青く、夕方が赤く見えるのはレイリー散乱によるものです。
レイリー散乱とは、色を決める固有波長が障害物よりも大きい場合、光が通過しやすい傾向・現象のことを指します。
日中は、空全体に青色が拡散する事で空を「青い」と視認できます。一方で夕方は太陽の角度が低くなる関係上、青色の光が障害物に衝突することが多くなることから地表に到達されにくくなり、その代わりに到達されやすい「赤色・オレンジ色」が観測されやすい状態となります。また、朝・夕方において正確な色を把握する事は出来ません。
さらに、人の目には捕食残像効果(有彩色を長時間見た後、視点を変えてもその色が残って視認出来る現象)というものも存在します。日常の中でこの効果を感じられるのが、カメラのフラッシュ・夜の信号機などです。視点を向けた先の色によっては、残像として残る色と混ざる事で全く異なる色が見えてしまう場合もあります。
また、人が感じる色の濃淡は目の色によっても変わります。その為、同じ色でも感じ方は人それぞれ異なります。ご家族でお色選びをされている際にお色の感じ方がそれぞれ変わってくる原因の一つでもありますが、感じ方が異なるからこそ相談しながらお色を決めることが楽しいのではないでしょうか?
春・秋は外壁塗装をされる方が増える?
春・秋は季節毎に異なる花を見せてくれたり、美しい紅葉を楽しむシーズンです。一方で冬は殺風景に感じられる方も多いと思われますが、これは無彩色が多くなってしまう事が原因です。
こうした現象は、前述させて頂いた明度対比によるものです。
春・秋に外壁塗装をされる方が増加傾向にあるのも中間の風景を選ばれている事が理由といわれています
お住まいのメンテナンスは、ライフプランを考えた上に実行される方や人生の節目をきっかけにされる方が多いです。しかし、最も大切なのは適切なタイミングにしっかりと選定した色で塗装を行う事です。
周囲の環境・景観とマッチしたものを選定しましょう
近年のお住まいは、カラーバリエーションも豊かです。デザイン・お色に関しても様々なものがありますが、その上で和風・洋風・和洋折衷に限らず周囲の環境・景観に調和される色彩になっています。
お住まいの塗り替えをご検討される際、当然ご自身のお住まいへ注目しがちですが、両隣・ご近隣のお住まいへ目を向ける事も必要です。ご自身が住んでいる街並みにマッチするお色がお住まいに似合うお色である可能性もございます。
原色・過度に明るい色・過度に暗い色を避けた方が良い理由
(1)見る人へ威圧感・緊張感を感じさせてしまう
「目を引くお洒落な外観」と「色が目立つ」は、全く別です。
お洒落なお住まいは、シック・モダン・スタイリッシュなどを演出してみる人へ好印象を与えます。その一方で「色のみで注目を集めている」といったケースでは、ほとんどの場合に悪目立ちしているだけと言えるでしょう。店舗などに限らず、一般的なお住まいでも控えることをおすすめ致します。
(2)色褪せ・汚損が目立ちやすい
お住まいの外壁が汚れてしまう原因は、様々です。しかし、汚損の色が中間色であることがほとんどといえます。砂、土埃は薄茶・茶・黄土色ですし、苔、藻、カビも緑~薄茶です。その為、外壁に使用する塗料の色は、アイボリー・ベージュ・グレーなどを使用した方が汚損が目立ちにくいと言えます。
原色は、どのような色でも鮮明です。その為、色褪せが進行してしまいますと汚れが目立つことに繋がります。落ち着いた中間色であれば、色褪せ・変色も目立ちにくくすることが出来ます。
(3)統一されている街並みは美しさを感じられる
ヨーロッパは多くの美しい街並みがあることで有名ですが、その街並みをよく見てみますと、様々な事が分かります。まず、多くの建物の色彩が統一されています。
さらに、色彩だけではなく建物の大きさも統一感があります。美しい街並みは、色彩・大きさが統一されていることで美しい景色を完成させています。
こうした景色は景観の保護のため、法規制により調和が保たれている場合もございます。 塗り替え後のお住まいは、街並みの美しさの一部であることを念頭に置いておきましょう。
色同士の組み合わせには相性があります
虹の色を赤から順番に並べた場合、赤⇒橙⇒黄⇒緑⇒青⇒藍⇒紫となります。これをさらに詳細に分類・環状に並べたものを色相環といいます。
日本では日本色研配体系(PCCS)の他にも様々な種類の色相環が使用されており、国際的な指標であるマンセルシステムも一般的に使用されています。また、日本工業規格(JIS)にも採用されています。
色相環において正反対に位置している色をそれぞれ補色(反対色)といい、「赤」であれば「緑」が補色の関係と言えます。同様の明るさの反対色を隣り合わせますと、派手・きつい印象を与えてしまう特徴があります。
人によっては「ハレーション」と呼ばれる目がチカチカとしてしまう現象を起こしてしまう場合もあります。一般的には使用されない組み合わせですが、目立つという意味では非常に適した組み合わせであり、不快感・ハレーションの対策として明るさ・色見などが調整されたものが企業のロゴなどに使われる場合もあります
また、スポーティといった印象も与えることからスポーツチームのユニフォーム・レースなどに使われる車体にもこのカラーリングがよく使われています。しかし、繰り返しとなってしまいますが一般的なお住まいには適さない配色です。
色の相性は屋根・外壁・雨どいなどの付帯部との組み合わせを考慮する必要があります。あくまで全体的なバランスを考えた場合は3色に加えサイドが低い白(ホワイト)・黒(ブラック)・灰(グレー)を含めた4色程度で仕上げることが重要です。
「外壁塗装」についてインターネットで検索していると「ツートン ダサい」といった関連検索が出てきますが、こうしたツートンカラーのダサさの原因は、すべて色の組み合わせが原因です。
☑ 誤った2色の塗装配分
☑ 相性の悪い2色
☑ 付帯部との組み合わせが悪い配色
上記の様な要素を事前に確認しておくことで、失敗を防ぐことが出来ます。
だからこそ、あくまでイメージを掴む為といえどもカラーシミュレーション・塗料見本板・施工事例などを参考にして色の組み合わせを事前に確認しておくことが非常に大切です。色の配分・配色をしっかりと検討しておくことで、イメージ通りの色を綺麗に表現することに繋がります。
色が与える体感温度への影響・虫よけ効果
色選びと合わせて皆さんがご検討されるのが、塗料の特徴・機能です。近年では遮熱・断熱・低汚染等の機能を備えた、何もせずとも快適性・美観性を維持できる塗料も多く開発されています。
また、白い色は熱吸収性が低い特徴があるため、採用すれば黒色に近いお住まいよりも暑さの軽減に期待できます。
前述させて頂きましたが汚損が気になるような場合には、汚れの原因である埃・塵や苔・藻に近いベージュ・グレー・グリーン系のお色を採用する事で目立ちにくくすることが出来ます。
また、色によっては虫よけ効果に期待することも出来ます。虫は、紫外線に反応する為、紫外線を良く反射する色に集まる習性があると言われています。紫外線を反射させやすい白・黄・青などでは無く、紫外線を反射させにくい灰・茶・赤を使用する事で虫よけ効果を得られる場合があります。
ただし、虫は夜の街灯などの照明に反応する為、外壁の色を変えただけでは大きな効果が得られない可能性があります。
塗料の艶もチェックが必要!
色の選定において艶感もチェックが必要です。塗料には、艶があるもの・艶がないもの・艶を抑えたものが存在します。
艶ありとは、自動車にワックスがかけられている状態や、光が綺麗に反射している様な仕上がりを指します。一方艶消し仕上げは新築時に近いマット仕上げです。艶ありのみ、艶消しのみ、7分・5分・3分艶といった調整可能な塗料もありますが、こうした艶は色の見え方に大きく影響を与えます。
艶あり塗料は光沢を持ち、コーティングが施されたような仕上がりとなる為、汚れが付着しにくいというメリットがありますが、上品な印象をご希望されている場合には、色・艶を事前に確認しておくことが非常に重要です。
カラーシミュレーションで艶を確認する事は出来ません。その為、見本板により手触り・光の反射を確認しましょう。
当然ですが、色の好みは人によって異なります。しかし、服装などと同じく外壁の色もトレンドがありますので、外壁塗装の人気色を調べておくことも色の選定に役立つと思われます。
まず、時代を問わずに人気の色がベージュ・アイボリー・ブラウン・グレーなどの淡色カラーです。汚損が目立ちにくい上、周囲の環境に馴染みやすく飽きにくい上品な仕上がりとなります。
キューブ型住宅・軒ゼロ住宅などが増加した影響によりスタイリッシュ・モダンな印象を与えるお住まいが定着しました。そのことからホワイト・ブラック・ネイビーを取り入れたお住まいも増えてきています。全面ホワイト・ブラックにすることで上品さ・高級感を演出する仕上がりにしているお住まいもあれば、ポイントでお色を入れているお住まいも多いので、理想と快適性のバランスを考慮して色を選定する事が大切です。
色とお住まいの形状や雰囲気は密接した関係にあります。ヨーロピアン風な住宅の場合、原色も綺麗にまとまり、ツートンにすれば雰囲気を一新出来るお住まいもあります。お住まいの見え方や仕上がりのイメージを持って色決めを進めていきましょう。
太陽光は赤道付近には真っすぐ降り注がれる一方で、北極・南極付近には拡散したものが降り注がれます。
地表に降り注がれる太陽光の違いによっても美しいと感じる色は違ってくると言われています。例として、日本の南方で美しく見える花を比較してしましょう。
日本の南端に位置する沖縄では、ハイビスカス・ブーゲンビリアなどの暖色系の鮮やかな原色の花がとても美しく見えます。
一方で、北端の北海道では、ベランダ・スズラン・コスモスといった寒色系の控えめな色の花が美しく見え、それを見る為に観光客も多く訪れます。
赤道付近の太陽光の明るさを100とした場合、北欧では約25、東京では45程度です。太陽光の明るさと美しく見える色は非常に密接な関係にあり、明るさに比例して鮮やかな原色が美しく見える様になります。
北海道は北欧の明るさに近く、落ち着いた色が周りの景色と調和します。赤道では美しく映える鮮やかな原色は、45程度の東京では浮いた印象を与える落ち着かない色に感じられてしまいます。
ただし、太陽光の明るさは季節によっても変動します。その為、夏は東京でも鮮やかな原色が美しく見え、逆に冬は抑えめの色が美しく感じられるでしょう。
大切にされているお住まいに人生で数回しか行わない塗装メンテナンスを施すのですから、コスト・仕上がりを重要視される事は当然です。
さらに、初めての塗装では
☑ 塗料の選び方が良く分からない
☑ 色選びで失敗したくない
など、ご不安に感じてしまう要素が非常に多いと思われます。また、2回目の塗装メンテナンスであっても
☑ 1回目と同様に仕上がりに満足できるか
☑ イメージチェンジを検討してみようか
☑ 今回も塗装メンテナンスは可能なのか
など、1回目とは別の不安を感じてしまう可能性もあります。
屋根塗装・外壁塗装は一度施工してしまいますと簡単にはやり直せません。また、その仕上がりの状態は10年近く維持されることとなります。だからこそ、塗装後に後悔をしないようにカラーシミュレーション・施工例を参考にする事や、太陽光が当たる場所・日陰などで見本板の見え方の比較を行い、仕上がりのイメージを事前にチェックしておくことが非常に重要です。
色選びに悩まれている方や、塗料・費用に疑問をお持ちの方がおられましたら、点検からお見積りまで無料の私たち、街の外壁塗装やさんまでご相談下さい。
外壁塗装の色選びでは、「これで間違いない!」といった正解は残念ながらありません。だからこそ「塗装を行って良かった」「綺麗に仕上がった」「これからもお住まいを大事にしていこう」といったお客間様のご満足に繋がる塗装を施工させて頂けるようにしっかりとサポートをさせて頂きますので、ご安心頂ければ幸いです。
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