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HOME > 弾性塗料の特性や注意点!モルタル外壁に向いている理由やメリット・注意点とは?
更新日 : 2024年05月22日
更新日 : 2024年05月22日
今回は、外壁塗装に弾性塗料についてご紹介させて頂きます。
弾性塗料は、モルタルの外壁など、ひび割れ(クラック)が発生しやすい表面に適しています。外壁塗装業者から「弾性塗料」を進められたけれども、その塗料が具体的にどういうものか理解できず、採用するか迷っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、弾性塗料の利点や特性、外壁材との相性などを紹介し、適切な塗装方法を知りたい方々の役に立つ情報ご紹介致します。
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弾性塗料は、外壁のクラックやひび割れに対応するために開発された、ゴムのような弾力性を持つ特殊な塗料です。他の塗料と比べて、非常に優れた伸縮性と弾力性を備えています。
この特殊な塗料は、合成樹脂と弾性機能を持つ硬化剤を配合することで、伸縮する能力を発揮します。外壁にクラックやひび割れが生じた場合でも、この弾力性によって塗膜は割れず、雨水の侵入を防ぐことができます。
一般的な他の塗料では、外壁にひびが入ると同じく塗膜もひび割れしてしまい、雨水の侵入の危険性が生じます。そのため、防水が重要視される場合やひび割れのリスクが高い外壁には、極めて重要な役割を果たすと言えます。
弾性塗料は、ひび割れが生じやすい外壁材に特に適しています。このため、モルタル外壁には、弾性塗料が最適な塗料と言えます。モルタルの外壁は、窯業系サイディングやガルバリウム鋼板などの金属サイディングとは異なり、経年劣化に伴ってひび割れ(クラック)が目立つようになります。雨水がひび割れた外壁の隙間に浸入すると、壁内の材木が腐食し、お住まいの構造にも損害を与えてしまいます。
モルタルで作られた外壁の場合、ひび割れに従性する特性のある弾性塗料を使用することをおすすめいたします。
また、モルタルに限らずコンクリートにも同様にひび割れが発生しやすい特性がある為、弾性塗料を採用されると安心できます。
弾性塗料は、モルタルやコンクリートとの相性が優れており、時間の経過による劣化を最小限に抑える役割を果たしています。この塗料は、モルタルで作られた外壁の美観を損なわず、同時に建物を保護してくれます。塗料製造会社によって様々な弾性塗料を提供しており、多様なカラーバリエーションもあります。
また、下塗り材には「微弾性フィラー」と呼ばれるものもあり、こちらを使用することで仕上げ塗料に弾性塗料以外のものを選択する事も可能となります。⇒詳しくはこちら
弾性塗料の主な利点は、その弾性にあります。このため、塗膜がひび割れしにくくなります。たとえ外壁にひび割れが生じたとしても、弾性のある塗膜はひび割れを防ぎ、外壁の美観を保ちながら雨水から家を守ってくれます。
外壁のひび割れは地震、道路を通る大型トラックなどの振動も原因の一つとなります。 外壁は日常的に雨風や強烈な紫外線にさらされているため、経年による劣化を避ける事は出来ません。
モルタルは、外壁に用いられるサイディングボードのように「ジョイント部分を目地にすることで力を逃がす構造」ではありません。そのため、わずかな振動や揺れに対して脆弱であり、外壁に微細なヒビ(ヘアークラック)が生じやすいのです。 もし外壁塗装に弾性のない塗料が使用されている場合、外壁のヒビと共に塗膜も割れてしまいます。しかし、弾性塗料を使用する場合は、塗膜がゴムのように伸縮し、外観に影響を及ぼすことはありません。
外壁の塗膜がひび割れると雨水が侵入し、壁内の材木を腐食やシロアリ発生の原因になることがあります。特に冬の寒い時期には、ひび割れの隙間に入った水分が凍結し、膨張することがあります。この膨張した箇所は、ひび割れをさらに広げる危険性があります。 弾性塗料は、こうしたリスクを軽減する事が可能な塗料です。
弾性塗料は、外壁に塗布すると密着性が高まる特長があります。この密着性によって、雨水が塗膜の内部に浸入することを防ぎ、防水性能が向上します。
さらに、弾性塗料は他の塗料と比較して、厚く塗布することができる傾向があります。そのため、より優れた防水性能が発揮されるのです。
外壁の保護は家全体を守ることにつながりますので、弾性塗料の高い防水性能は大きな利点と言えます。
クラックとは、外壁に発生するひび割れのことを言います。
以下にクラックの種類・危険性についてご紹介します。
〇ヘアクラック
ヘアクラックとは、髪の毛のように非常に細いひび割れのことで、幅が0.3mm未満で深さが4mm未満のひび割れを指します。
これらのクラックは緊急の修理が必要なほどでは無い事が多く、塗装工事によって改善することが可能です。クラックの原因は、雨風や紫外線による経年劣化に伴う伸縮や、施工不良に起因する可能性もあります。
〇構造クラック
構造クラックは、建物の構造に影響を及ぼす深刻な亀裂のことを指します。
幅が0.3mm以上のクラックが見つかると、外壁自体が割れている可能性があるため、ただちに補修することが必要です。このまま放置しておくと、雨水が浸入し、建物の構造体や壁そのものの劣化を加速させます。
構造クラックの原因は、主に地震や不同沈下などが挙げられます。また、建物の構造が地震の揺れに対応できない場合にも、構造クラックが発生することがあります。
〇開口クラック
建物の窓や扉の周辺に発生するクラックを開口クラックといいます。このようなクラックは地震の揺れなどの影響を受けやすく、窓・扉の角から斜めに入ります。このクラックから雨水が浸入することで雨漏りの原因となります。もし窓・扉の角にクラックが見つかった場合、雨漏りを火起こす可能性がございますので、早期に専門業者へ相談されることををおすすめします。
弾性塗料には通気性が低いという特徴があります。その為、塗装後に内部から外部へ湿気が逃げにくく、それにより塗膜が膨れてしまうことがあります。この現象は一度発生すると元に戻らず、見た目も損なわれてしまいます。
しかし、最近では透湿性の高い弾性塗料が販売されております。弾性塗料を選ぶ際には、湿気を逃がす能力のある透湿性の塗料を選択することが重要です。
弾性塗料を使用する場合には、上記のような知識を豊富に持っている塗装業者と熟練した職人の技術が必要となります。
弾性塗料はサイディングの塗装には適していません。
サイディングは通気性が低いという特徴があり、湿気が内部にたまりやすい性質を持っています。その湿気が外部に排出されようとする際に、前述した塗膜の膨れが発生する場合があります。
同様に、サイディングはモルタルと比較して熱を蓄えやすい特性を持っており、それに弾性塗料を重ねると熱により塗膜が膨らんでしまう現象が生じます。
透湿性の高い塗料を選択すれば、上記のようなリスクを回避できる場合があります。ただし、特に理由がない限り、わざわざ弾性塗料をサイディングに使用する必要はありません。通常の硬質塗料を使用することで、サイディングの塗装には十分対応できるでしょう。
弾性塗料の工法は、主に3つに分けられます。
それぞれの工法の主な違いは「防水性の高さ」にあり、ご紹介させて頂く中には一般的なお住まいであまり採用されない工法もございます。
微弾性塗料工法は、下塗り材に弾性のある微弾性フィラーを塗布後、中塗り・上塗りと塗装を合計3回に分けて仕上げる工法です。
下塗りにのみ弾性フィラーを使用し、通常の硬質塗料を使用する中塗りと上塗りではグレードやお色を自由に選べるうえ、下塗りの弾性フィラーのおかげでわずかなひび割れであれば埋めてしまう事が可能です。 この場合、微弾性フィラーの効果は数年で徐々に薄れていきますが、上塗り材が維持していれば外壁を保護する塗膜として機能します。
〇施工例
ひび割れが発生している築20年の外壁を補修・塗装
外壁のひび割れにお困りのお客様よりご依頼を頂き、外壁の補修・塗装工事を承りました。
発生している大きなひび割れはコーキングによって補修し、小さなひび割れは微弾性フィラー(関西ペイント「弾性ホルダー」)による下塗りによって埋めていきます。
写真は、弾性ホルダーを塗布した塩ビ板です。大きく曲げても全く割れませんので、弾性の高さが伺えます。
中塗りには、水性シリコン樹脂塗料関西ペイント「RSシルバーグロスSi」を使用させて頂きました。ラジカル制御型塗料の特徴により紫外線の劣化を抑える事で、高耐久が期待できます。
〇弾性塗料による仕上げ塗り(単層弾性工法)
単層弾性工法は、シーラー(下塗り)を施し、その後中塗りと上塗りを弾性塗料を用いて塗装する方法で、合計3回の塗装工程となります。
中塗りと上塗りは2回にわたり弾性塗料で施されるため、塗膜には厚みが生じ、 塗膜はひび割れに対して追従性が高まり、より優れた防水性を発揮することができるのです。
〇施工例
エクストラコートを使用した色褪せ・クラックにお困りのモルタル外壁塗装
外壁の補修跡や雨だれ、細かいクラックにお困りのお客様よりご依頼を承りました。前回の塗装から10年程度経過しているお住まいです。
クラックを確認させて頂きますと、幅が小さく緊急性も低いものでした。
しかし、外壁の塗膜の劣化・色褪せが進行している事から補修跡が目立っております。
今回は、下塗り材に菊水化学工業「ソフトリカバリー」を使用致しました。
しっかりと密着する事で、ひび割れを埋めつつ下地の調整をする事が可能です。
中塗りと上塗りにはブライトン「エラストコート」という塗料を使用しました。
この塗料は下塗りをしなくても塗ることができますが、下塗りを行うことでより安心できます。エラストコートは弾性と防水性に優れており、さらに透湿性も持っているため、膨れを防止する効果もあります。お客様と事前にカラーシミュレーションを行い、元の色よりも少し明るい色を使用させて頂きました。
〇弾性塗料による中塗り(複層弾性工法)
複層弾性工法は、最初に下塗りとして下地にシーラーを塗布し、次に2回の中塗りを施し、最後に2回の上塗りを施す合計5回の工程となります。中塗りには弾性塗料を使用し、上塗りには一般的な硬質塗料であるシリコンやフッ素などを組み合わせることができます。この5回の重ね塗りによって塗膜は厚くなり、防水性能が最も高まります。しかし、工程が増えるため作業時間も長くなり、材料のコストもかさむため、総合的な費用が高くなります。そのため、一般の住宅ではあまり採用されない傾向があります。
モルタルはクラックが発生しやすい外壁材で、窯業系サイディングや金属サイディングが主流となる以前によく利用されていました。その為、お住まいのモルタル外壁が経年劣化によってひび割れなどが目立ってきたと心配される方も多いかもしれません。
私達、街の外壁塗装やさんでは、お住まいの外壁の状態やお客様のご希望の上、最適な施工方法・塗料をご提案させて頂きます。現地調査では、お困りごとの原因やお住まいの状態を把握させていただく為、しっかりと時間をかけて調査させて頂きます。
点検からお見積りの作成まで無料にて承っておりますで、まずは街の外壁塗装やさんまでお気軽にお問い合わせください。
街の外壁塗装やさんは神奈川県以外にも東京都、千葉県などでも外装リフォームを承っております。お住まいのエリアをお選びいただくと、各エリアの街の外壁塗装やさんサイトへ移動します。
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