ナノコンポジット｜超低汚染塗料を可能にしたナノテクノロジーとは？

　塗料においては、塗膜となる樹脂成分にもナノテクノロジーが応用されたことで、非常に高機能な製品も登場しています。それが水谷ペイントが製造している「ナノコンポジット」シリーズです。

　ナノコンポジットシリーズは現在、「ナノコンポジットW」「ナノコンポジットF」「ナノコンポジットW防藻＋」の３種類が用意されています。

　汚れが付着しにくい理由は、ナノテクノロジーが可能にした緻密な塗膜によるものです。
　従来型エマルジョン樹脂の大きさは400～500nmです。しかし、その一方でナノコンポジットシリーズのアクリルシリコン樹脂の場合、大きさは50～60nmである為、約10分の1程の大きさしかありません。（nmは10億分の1メートル、100万分の1ミリ）

　図は、樹脂が綺麗に整列した塗膜を拡大した状態です。400～500nmの大きさと比較して、50～60nmの大きさの方が隙間が非常に小さくなることが分かります。この隙間の小ささが、汚れが入りにくく汚れにくい塗膜を実現しています。

　ナノコンポジットが形成する塗膜はガラスに近い性質を持っており、親水性であることが理由です。
　また、塗膜はガラスの原料となる超微粒子シリカ（ケイ素）によって形成されます。
　当然ですが、外壁とガラスに同様の汚れが付着している場合、ガラスに付着した汚れの方が落ちやすいです。さらに親水性の特性を持っている為、先に汚れが付着していてもその下に水が潜り込む性質を備えています。
　その為、汚れが付着していたとしても水によって汚れが浮き、洗い流されます。

　一般的に色褪せしにくい建材として挙げられるのが、釉薬（陶器）瓦です。釉薬瓦に色褪せがほぼ発生しない理由は、無機質のガラス質に表面が覆われているからです。

　前述致しました様に、ナノコンポジットもガラスの原料となるシリカで塗膜が形成されている為、限りなく無機質に近い特徴を備えています。

　ナノコンポジットシリーズの中で最初に市場に登場したアクリルシリコンをベースとした製品です。
　大手のショッピングモール・飲食店・インテリア小売業にも採用されており、数多くの実績があります。

　水分を吸収・通過しやすい塗膜を採用する事で棒も機能が強化されています。
　藻の原因となる菌が付着しても、そこから水分が吸収されることで成長が抑制され、降雨によって洗い流されます。

　地球環境に優しい塗料と言えば遮熱塗料・断熱塗料が挙げられます。しかし、ナノコンポジットも地球環境に優しい塗料と言えます。
　塗膜となる樹脂の原料は石油であり、その石油の精製工程では地球温暖化の原因として知られるCo2を多く排出されます。
　ナノコンポジットは、ナノテクノロジーにより樹脂量が大きく削減されており、石油資源の節約やCo2の排出を大きく減らすことに成功しています。