HOME > 瓦屋根の方へ、貴方の屋根は塗り替えが必要なセメント瓦やモニエル瓦かもしれません
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定期的に塗装が必要となるスレート屋根や金属屋根に対し、瓦屋根はその必要がありません。近所で屋根塗装をしているのを見て、「瓦で良かった」と思った方もいるでしょう。しかし、その瓦の中にも定期的に塗装をとなければならないものがあることをご存知でしょうか。それがセメント瓦やモニエル瓦です。
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【動画で確認「セメント瓦・モニエル瓦」】
【動画で確認「セメント瓦・モニエル瓦の見分け方と塗装の注意点をプロが解説」】
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貴方の瓦屋根、塗装が必要なセメント瓦・モニエル瓦かも

一般的に塗装シーズンと言われる春と秋。近所で足場が立ち、屋根塗装している様子を見かけると瓦屋根の建物にお住まいの場合、「うちは屋根塗装が必要でない瓦屋根で良かった」、「塗り替えするにしても外壁塗装だけで住むから、屋根塗装分の費用が浮いてお得」と思ったこともあると思います。粘土から造られた瓦は塗装の必要がない上に、非常に耐用年数が長く、寿命は50年とも100年とも言われています。現に日本には約1400年前に造られた瓦が現役で使われている建物もあるのです。
しかし、瓦と呼ばれる建材の中にも塗り替えをしなけれはならないものがあります。それがセメント瓦やモニエル瓦です。

セメントに繊維を混ぜ込み、成型して着色した屋根材で厚型スレートと呼ばれることからも分かるように、同じ素材の薄いスレート(カラーベスト・コロニアル)に近い性質を持っています。塗装をすることによって防水性を高め、表面を保護してあげる必要があるのです。







セメント瓦とモニエル瓦も主成分はセメントであり、塗膜が薄くなってくれば、容赦なく水が染み込んできます。水が染み込んでくると、そこにセメントの成分であるカルシウムが溶け出し、外部に流出していきます。成分であるカルシウムが流出していくと、それだけ内部はスカスカになりますから、どんどん強度が落ちて脆くなっていくのです。つまり、それだけ割れやすくなります。




セメント瓦とモニエル瓦は新品であっても、粘土瓦のような強度はないと言われています。その強度が落ちていくのですから、これは問題です。防水性は塗装によって回復させられますが、流出したカルシウムを元に戻すことは不可能です。長持ちさせようと思ったら、その前にメンテナンスすることが大前提になるのです。

粘土瓦であっても、セメント瓦やモニエル瓦であっても、瓦を固定し、支えているのは漆喰です。漆喰は粘土瓦のようにメンテナンスフリーというわけにはいかず、定期的にお手入れが必要になります。漆喰の耐用年数は十数年と言われていますから、屋根塗装の度に点検してあげれば安心です。
また、現在では漆喰を使わない棟瓦の固定方法も普及してきました。軽量のハイロールという樹脂製のテープで覆った補強木材に棟瓦を固定する方法です。仮に棟の長さが40mとすると、従来の工法よりも約650kgの軽量化が可能となります。棟瓦のずれや崩れに対して強くなるだけでなく、耐震性も大きく向上します。耐用年数も長くなるのでお勧めです。こういったメンテナンスも街の外壁塗装やさんにご相談ください。
また、現在では漆喰を使わない棟瓦の固定方法も普及してきました。軽量のハイロールという樹脂製のテープで覆った補強木材に棟瓦を固定する方法です。仮に棟の長さが40mとすると、従来の工法よりも約650kgの軽量化が可能となります。棟瓦のずれや崩れに対して強くなるだけでなく、耐震性も大きく向上します。耐用年数も長くなるのでお勧めです。こういったメンテナンスも街の外壁塗装やさんにご相談ください。

外壁ならモルタル、窯業系サイディング、金属系サイディング、屋根ならスレート、金属屋根、コンクリートの塀などもお任せくださいという塗装業者でも、セメント瓦やモニエル瓦となると、施工を断る業者がいます。これはセメント瓦とモニエル瓦でその塗装の仕方が大きく異なるからで、間違えてしまうと極端に耐用年数が短くなったり、すぐに塗膜が剥がれてくるからです。同じ原材料から作られるセメント瓦とモニエル瓦は外観が非常に似ており、混同しやすいのです。


混同してしまうと施工不良が発生します。お客様にご迷惑をかけてしまうので、断っているのです。良心的な業者とも言えるでしょう。問題なのは「瓦が寿命ということをアピールしておけば、後で塗膜が剥がれてきても問題なく処理できる」と考えて、ギャンブルで塗ってしまう業者もいることです。成功すればお互いにハッピーですが、失敗すればお客様だけ不幸になります。


セメント瓦の塗装は特に難しいことはありません。スレート屋根の塗装や通常の外壁塗装と同じ工程で進めて行きます。

外壁や他の屋根と同じように高圧洗浄を充分に行います。積年の汚れが酷い場合は高圧洗浄を繰り返し、行います。天気にもよりますが乾燥はたっぷりと時間をかけて行います。表面が傷んでおり、吸水しやすくなっている場合は念入りに乾かします。 その後、下地がざらざらしているようならフィラー、ざらざらしていないようならシーラーと状態によって下塗り材を変えて、下塗りを行います。フィラーを塗布してもざらつきが収まらないようであれば、さらに下塗りを重ねます。 その後、中塗りと上塗り、仕上げの2回塗りを行います。






モニエル瓦には表面にスラリー層という特殊な着色層があり、これが塗装を難しくしています。このスラリー層は脆弱で塗料の付着を邪魔するので、簡単に剥がれてしまうのです。スラリー層を取り除く、もしくはスラリー層を強化して剥がれが起こらないようにする、どちらかを選択するしかないのです。
まずスラリー層を除去する方法ですが、入念な高圧洗浄を行うなどの方法があります。脆弱なスラリー層を強化するにはスラリー強化プライマーを使う方法があります。モニエル瓦は塗膜25年保証という異例の保証をつけていました。それを可能にしたのがこのスラリー層ですから、街の外壁塗装やさんではスラリー強化プライマーを使用することをお勧めします。


高圧洗浄を充分に行った後、スラリー強化プライマーで下塗りを行い、しっかりと乾燥させます。その後、スラリー層が強化されたか、ガムテープで粘着テストを行います。スラリー層がテープに着いてこないようなら、中塗りと上塗りに入ります。スラリー層が剥がれてしまったら、再度、スラリー強化プライマーを塗布し、粘着テストに合格してから中塗りと上塗りを行います。



モニエル瓦は製造中止の上、在庫もほぼゼロ
セメント瓦も廃盤で在庫が少ない状態
長持ちさせるためにこまめなメンテナンスが必要です
粘土瓦よりもメンテナンスに手間がかかる上に耐用年数は短いというこで、セメント瓦とモニエル瓦の人気は下降し、現在では製造・販売を行っているところも少なくなりました。セメント瓦については製造・販売を行っているところは極めて少数です。モニエル瓦は外資系の会社で日本市場からは完全に撤退しています。撤退時、モニエル瓦の在庫は豊富に残されていたらしいのですが、東日本大震災でその倉庫が被災し、ほぼ割れてしまったそうです。新品では手に入ることはまずなく、中古もかなり希少となってしまいました。今ある瓦をできるだけ長く、使い続けるしかないのです。長く使い続けるためにも塗り替えなどのメンテナンスを続けていかなければなりません。





セメント瓦の塗装と補修をご依頼いただきました。「築年数が経過しているので、漆喰を含めた補修と屋根塗装をお願いしたい」ということでしたが、漆喰に傷みは見られず、屋根塗装のみを行う結果となりました。傷みが出ていないところにも気を使うお施主様、お家をとても大事にしているという印象を受けました。
点検の様子


多くの屋根材に見られる共通の現象が表面に苔が生えることです。表面がざらざらしている屋根材に顕著な現象で、こちらのセメント瓦の表面にも茶色の苔が生えています。お施主様は傷み具合をかなり気にしていましたが、築年数からすると苔は少ない方でしょう。お施主様が心配していた漆喰に傷みは見られなかったものの、棟瓦を固定している釘には浮きが出ています。こちらは屋根塗装前に打ち込んでおきます。
セメント瓦屋根への屋根塗装


まずは足場の仮設です。足場によって作業時の安全性と作業性を確保します。そして、高圧洗浄して、塗装をしますのでその飛沫が飛び散らないようにメッシュシートを周囲に張り巡らします。


それほど苔は生えていなかったのですが、高圧洗浄をしたらセメント瓦本来の色に戻りました。工事前、お施主様が「新築時はもっと薄いグレーだった」とおっしゃっていたように、黒かった屋根がグレーの中間色ぐらいの色にもどりました。意外と汚れているものです。


高圧洗浄後、じっくりと乾かしてから、シーラーを塗布していきます。瓦の傷みが少なく、ぬった下塗り剤の吸収の少ない場合シーラー、ざらざらしていて表面の傷みが進んでいる場合はフィラーを使用して下塗りをしていきます。こちらのセメント瓦にはシーラーを塗布しました。


ローラーと刷毛を使用してセメント瓦を塗り替えていきます。傷みが少なかったので、中塗りの段階から高い艶が出ています。これは長持ちしそうです。


上塗りの様子です。とても艶があることが分かります。この程度の時に塗り替えると次の屋根塗装までの時間も長く取れますし、屋根材の寿命も長くなります。遅めのリフォームやり早めのリフォームの方がメリットは多いのです。 上塗りが終了したら、セメント瓦の屋根塗装の完了です。
竣工 セメント瓦への屋根塗装




日本人なら誰しも知ってるメジャーなハウスメーカーで建てた築20年のお家です。屋根にはモニエル瓦が使われていました。ちなみにこのハウスメーカー、折板屋根の戸建て住宅なども過去に販売してたようですから、バラエティに富んだ家作りをしているのかもしれません。
点検の様子

モニエル瓦は一般的なセメント瓦よりも強いとされており、塗膜も長持ちすると言われていましたが、さすが築20年ともなると苔だらけです。よく見てみると意匠性として縦にラインが入っています。


苔の他、カビも生えています。ここまで繁殖していると下地にも悪影響が出るのは当然で、おそらく新品時よりもかなり強度は落ちているでしょう。まずは丹念な高圧洗浄が必要です。
屋根塗装


向かって左半分を集中的に高圧洗浄を行いました。表面が滑らかになっていることと、黄色っぽい色が消えていることが分かると思います。普通の高圧洗浄より時間をかけて洗浄しました。

下塗りではモニエル瓦専用に開発されたアスクルテック社のモニエルパワープライマーを浸透させてスラリー層を強化していきます。モニエル瓦の塗装にはスラリー層を除去してしまう方法と強化する方法があります。このスラリー層がモニエル瓦の塗膜の強さでもあるので、弊社では除去よりも強化をお薦めしています。


狭く細かい部分は刷毛、面積が広い部分はローラーと使い分けて中塗りを進めていきます。こうして見てみると苔まみれだったかつての姿が嘘のようです。しっかりと施工すれば、それに答えてくれるように建材が蘇ってくるのがこの仕事の醍醐味ですね。

竣工 モニエル瓦の塗装
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