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    更新日 : 2024年01月28日

    更新日 : 2024年01月28日

    ベランダ・バルコニーからの雨漏りは防水工事で防ぎましょう!

    機能と美観を維持するための防水工事
    ベランダやバルコニーの防水工事お忘れになっていませんか?
    ベランダやバルコニーの機能を維持するには防水工事が必要です

     住まいのベランダやバルコニー、陸屋根など、これらの場所では、防水工事が不可欠です。
     防水工事を怠ると、建物の防水性能が損なわれ、雨水が簡単に浸透し雨漏りを引き起こすだけでなく、建物全体の寿命も大きく縮まってしまいます。
     ただし、外壁塗装と比較して、防水工事の広告や宣伝はほぼ見当たりません。このため、防水工事の重要性がまだ十分に理解されていないのが現状です。

    劣化した陸屋根やベランダを放置していると、雨漏りの原因になる事も

     今回は、防水工事の重要性を伝えるとともに、防水工事の手法や進行手順について詳しくご紹介いたします。

    多様化された現代の建築においても防水工事は必要です

     現代の住宅では、一般的にはプレカットされた建材を使用して建てられることが多くなっています。この場合、建材は工場であらかじめ必要なサイズに加工されており、その後現場で組み立てられます。そして、多くの住宅にベランダやバルコニーが設けられています。

    陸屋根のお住まいの外観

     さらに、最近では屋根が平らで屋上が設けられた住宅や、ガーデニングを楽しむための広いベランダやバルコニーがある2階建ての住宅、環境に配慮して屋根に太陽光発電を設置した住宅なども増えています。

      一般的には、雨漏りや漏水の問題は古くなった家屋に関連付けられることがありますが、実際には先述のような現代的な住宅ほど、防水工事の必要性が高い場合もあるのです。

     

    昔から現在まで、最も一般的な住宅の形を思い浮かべると、その屋根は三角形の断面を持っていることでしょう。

     この屋根が三角形である理由は、雨水を効率的に流すために意図的に傾斜させているからで、傾斜させることで、雨水が滑らかに流れやすくなるのです。

    陸屋根は傾斜がないため雨水が溜まりやすい

    お住まいの様々な場所で防水工事は必要

    陸屋根(平らな屋根)

    屋上が設けられる平らな屋根(陸屋根)は、勾配がほぼゼロです。微妙な傾斜がある場合もありますが、当然三角屋根と比べると性能は劣ると言えます。

     平らな屋根では水が溜まりやすく、その結果、雨漏りのリスクが高まる可能性があります。

    陸屋根
    ベランダ、バルコニーの床

    ベランダ・バルコニーの床

     四方を壁で囲まれ、出入り口が存在する場所で、床面にはほとんど勾配がない特徴があります。
     さらに、内部は日光がほとんど当たらず、水がたまると乾きにくい構造となっています。ベランダが広いほど、雨漏りのリスクも高まります。

    太陽光発電を設置している屋根

     陸屋根や傾斜のある屋根、太陽光発電パネルを備えた屋根など、多様な形状があります。そして、これらの屋根にはさまざまな問題が発生することも珍しくありません。
     太陽光発電パネルを取り付ける業者は一体どのような方々なのでしょうか?おそらく、ほとんどの場合、太陽光発電パネルの設置専門業者でしょう。彼らは防水の専門家でもなく、屋根工事のプロでもありませんので、住まいの構造については詳しいとは言えません。 そのため、太陽光発電パネルを取り付ける際に、屋根に損害を与えてしまうこともあります。

    太陽光発電を設置している屋根
    街の外壁塗装やさんがお客様からのご相談を受けている

     私達、街の外壁塗装やさんは、お客様や太陽光発電設置業者から雨漏りの防水工事のご依頼を受けた経験があります。

    屋根の勾配は排水性を高めます

    勾配が急な芽葺き合掌造りの屋根

     屋根材が自然素材であるため、雨水の浸透が容易です。このため、屋根の傾斜を急に設定し、排水性能を向上させています。

    勾配が少ない現代の三角屋根

     合掌造りと比較すると勾配が緩やかです。また、使用される屋根材によっても、最小勾配が決められています。

    勾配がほぼ無い陸屋根

     肉眼で見ると、勾配がゼロに見えるように思えますが、実際には排水のために僅かな勾配が設けられています。

    適切な防水処理も経年による劣化は進行します

     防水処理は時間の経過とともに劣化してしまいます。専門的な防水処理であっても、一般的な塗装と同様に劣化が進み、劣化した塗膜はひび割れなどを引き起こすことがあります。専用の防水シートを使用している場合でも、同様です。

     屋根や外壁と同じように、防水も定期的なメンテナンスが必要です。防水処理は、住まいにとっての大敵である水分を遮断する役割を果たしているため、メンテナンスを忘れると大変な事態になる可能性があります。

    劣化した塗膜のひび割れや防水シートの破れ

    雨漏り・漏水の原因や箇所の特定は困難です

     完全に雨漏りを止めるためには、住まい全体を総合的に診断し、その上で判断する必要があります。 単に怪しい箇所を見つけたからと言って、無理に修理するのは避けましょう。無作為な補修は水や水蒸気の通り道を塞いでしまい、問題を余計に悪化させる可能性があります。

    雨漏りは一か所ではなく複数個所から侵入することも
    雨漏りの原因が屋根ではなく外壁にあったイラスト
    ベランダが雨漏りの原因だったお住まい
    様々な部分を伝って雨漏りが到達していたお住まい
    上水道からの漏水があるお住まい

    防水処理の基本は、貼る・塗る|防水方法のご紹介

    防水方法

    主な用途

    シート防水

    防水性のあるシート(ゴム、塩化ビニール)を防水する箇所に張り、重ねていく。

    一般的な住宅の陸屋根や屋上

    ウレタン防水

    ウレタン樹脂を液状にしたものを塗布し、防水膜を形成する

    一般的な住宅の陸屋根や屋上

    FRP防水

    プラスチックをガラス繊維などに含浸させた複合材料

    一般的なお住まいのベランダやバルコニー

    アスファルト防水

    アスファルトをコーティングしたり、含ませたシートを重ねていく

    大型ビルやマンションなどの広い陸屋根や屋上

    防水方法は様々ですが、危険サインは共通です

    排水不良の陸屋根

    排水不良

     建物は水を貯めるために作られたものではありませんので、もし水が溜まってしまうと、様々な箇所に深刻な悪影響を及ぼします。もし建物内部に水が漏れ出してしまった場合、雨漏りだけでなく、様々な部分の腐食や劣化を引き起こす可能性があります。

    剥がれた防水シート

    表面に浮き・波打ち

     一般的にはシート防水によって引き起こされる状態と言えます。見た目上は何も変わっていないように見えるかもしれませんが、踏んでみると変形してしまう場合、それは下にある防水シートが弱まっていることを意味しています。

    ひび割れた防水シート

    ひび割れ・避け

     防水層・防水シートに発生したひび割れ・裂けは雨水の侵入へと繋がります。

    アスファルトやコンクリートから目を出す草花

    植物の繁殖

     アスファルトやコンクリートの上に勢いよく生えている草花を目にすれば、植物の新芽や根がどれほど頑強であり、コンクリートを破壊し、伸び続けることが分かります。
     このような植物の力は、単に表面や外壁、防水層を破壊するだけでなく、建物の骨組み自体を損傷させてしまうこともあるのです。

    防水層を保護している表面の荒れ・色褪せ

    表面の荒れ・色褪せ

     防水層の保護が十分でないことを示しています。 このままでは、防水層が直接紫外線にさらされ、劣化が急速に進行する可能性があります。

    穴が開いた下地

    表面の傷

     表面だけでなく、防水層にも損傷が生じ、防水シートなどが破れている場合もあります。歩行や風雨による摩耗、強風による飛来物などが原因となっており、重たい植木鉢を倒したり、引きずったりした場合にもこの問題が発生することがあります。
     傷の大きさや深さに応じて、修理方法も異なります。

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    防水工事の施工の流れ

     以下に、一般的な住宅のベランダやバルコニーに適用される、FRP防水とウレタン防水による通気緩衝工法の一例を紹介いたします。

    ベランダへのFRP防水
    雨漏りの原因の特定
    人口芝の敷かれたベランダ

     ベランダの下に位置するお部屋において、雨漏りが発生しているとご相談頂きました。実際にお部屋を拝見しましたが、相当な量の雨染みが確認されました。 雨漏りの原因はおそらくベランダにあると考えられますので、ベランダ部分を入念に点検していくことになります。許可を頂きましたので、人工芝を移動させて頂きます。

    ベランダのシート防水の劣化

     ベランダは、防水シートが施工されていましたが、経年劣化により著しい損傷が確認されます。一部には穴が開いており、また、破れている部分もあります。 この状態が雨漏りの原因となっていることは疑いの余地がありません。もし室内で雨漏りが発生しているのであれば、防水層作り直すことが必要です。

    これまでの防水層の撤去
    防水層の撤去

     まずは、既存の防水層を取り除く作業を進めます。シート防水の場合、シートそのものが防水層となり、その上に太陽光の悪影響を防ぐためのトップコートが塗られています。

    穴が開いた下地

     下地にも穴が開いていることが確認されました。このままでは雨水が容易に室内に侵入してしまいます。表面を見ただけでは見えない問題も多いのです。

    下地の新設
    構造用合板を敷き詰めて下地つくり

     構造用合板を使用して下地を作ります。採寸した寸法に合わせて正確にカットした合板を、隙間なく敷き詰めていきます。下地作りは防水層を頑丈に保つために非常に重要な工程です。

    立ち上がり部分に面木を詰めて下地を作る

     立ち上がり部分にも合板を丁寧に敷き詰めます。さらに、防水性を向上させるために、垂直な内角部分に面木(直角二等辺三角形の断面を持つ当て木の様なもの)を取り付けます。

    プライマーの塗布とガラスマットの敷設
    シーリングが施された下地の構造用合板の継ぎ目

     下地である構造用合板の接合箇所にシーリングを施し、隙間をなくします。その後、下地とガラスマットおよびポリエステル樹脂の密着性をプライマーをする事で高めます。

    ガラスマットが敷かれた陸屋根

     プライマーを塗布した後、ガラスマットを配置します。立ち上がり部分にもしっかりと密着させ、構造用合板を敷いた箇所を含め、全体にいきわたらせます。

    防水層の形成
    ポリエステル樹脂を浸透させ、形成された防水層

     防水層を形成するために、ガラスマット上にポリエステル樹脂を染み込ませていきます。この段階で、気泡が発生してしまうと、樹脂が硬化した後に耐久性が低下してしまいます。

    気泡処理が行われた防水層

     気泡処理を施し、ポリエステル樹脂をしっかりと浸透させる作業を行います。忍耐強く、丁寧に気泡処理を続け、強度を損なわないように注意を払います。

    トナー入りのポリエステル樹脂の塗布
    トナー入りのポリエステル樹脂が塗られた防水層

     トナーを入れたポリエステル樹脂を塗布する事で防水層を暑く、頑健にします。
     トナーの語源は、英語のトーンで粉末上のインクを意味しています。

    ガラスマットの繊維

     写真の様に、ガラスマットの繊維がまだ見えています。この繊維が目立たなくなるまで防水層を厚く滑らかにしていきます。

    ベランダFRP防水工事完了
    トップコートが塗布されたベランダの防水層

     人が歩くベランダやバルコニーは、防水層を保護する必要があります。その為、トップコートを数回、塗布していきます。

    カバーを付けた排水口

     最後に排水溝にカバーをつければFRP防水工事の完了です。雨漏りのご心配の必要が無いベランダとなりました。

    アパートや小規模ビルの屋上向けウレタン防水による通気緩衝工法

     ウレタン防水による通気緩衝工法は、通気性のあるシートの上に脱気筒を取り付ける事で、湿気を逃がし、その上にウレタンを塗布する防水工事です。
     脱気筒を取り付ける事で防水層であるウレタンにより閉じ込められている水分を逃がします。防水層の膨れ・剥がれを防止する効果が期待できます。

    防水工事前の清掃と高圧洗浄
    ブロックとロープの撤去

     まずは、ブロックやロープなどの雨水の侵入を防ぐ為に使用されていたものを撤去します。また、溜まっってしまった泥も清掃します。

    高圧洗浄

     次に、高圧洗浄を行います。
     床、壁部分の汚れを強い水圧で落とします。

    モルタルと目地のコーキング処理による下地補修
    継ぎ目に充填されていた目地の撤去風景

     次に、継ぎ目に施されている目地材の撤去です。その後、盛るテルにより下地を整えます。施工前はざらざらとしていましたが、モルタルによりフラットになりました。

    バックアップ材、目地に挿入風景

     目地にバックアップ材を挿入します。
     プライマーの塗布後、コーキング材を充填して平らにしていきます。
     下地の作成はこれで完了です。

    排水口

      既存の排水溝の位置に設置していきますが、雨水の排水性を向上させるため、微調整が必要です。穴とドレンの隙間から雨漏りが発生してしまったケースもございますので、注意して作業致します。

    通気緩衝シートの張り付け風景

     専用ボンドを使用して、通気緩衝シートを貼り付けていきます。

    脱気筒の設置と1層目のウレタン防水
    通気緩衝工法の要となる脱気筒

     写真は「脱気筒」で、通気緩衝工法の要です。防水層下の水蒸気を脱気筒を使用する事で排出し、防水層の膨れ・剥離を防ぎます。注意点として、屋上は排水の為に目には見えないほどの勾配が付けられていますので、一番高いところに取り付ける必要があります。また、その関係上複数の脱気筒を設置するケースもあります。

    ウレタン防水の1層目の塗布

     次に、1層目のウレタン防水を塗布します。つなぎ目が出来てしまう事を防ぐ為にも、迅速かつ正確に作業をすすめます。

    立ち上がり部分への施工と2層目のウレタン防水
    立ち上げり部分の下地処理

     床面・外壁の立ち上がりにも目地・クラック補修等の下処理を行います。
     その後、プライマーの塗布、ウレタン防水を順次行いますが、この部分にも2層目のウレタン防水を実施します。

    2層目のウレタン防水の塗布

     2層目のウレタン防水を塗布します。
     ウレタン防水の塗布は、最低でも2回以上重ねる事で、漏水の心配がない防水層を作る事が可能です。

    通気緩衝工法を併用したウレタン防水の工事完了
    トップコートの塗布

     最後に、ウレタン防水層を保護する役目であるトップコートを施すことで通気緩衝工法を併用したウレタン防水は完了となります。

    防水工事の完工

     点検・確認後、最終点検としてお客様と一緒に確認を致します。最終点検でも問題が無い事を確認すれば、現場と周辺を清掃、保証書をお渡しさせて頂き施工完了となります。

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