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    更新日 : 2024年05月19日

    更新日 : 2024年05月19日

    窯業系サイディングの直貼り工法のお住まいに外壁塗装は出来る?最適なリフォーム方法をご紹介

    窯業系サイディングの直貼り工法の家に最適なリフォーム

     現在、窯業系サイディングは「新築戸建て住宅の90%にサイディングが使用されている」と言われるほど人気を集めています。
     1990年代ごろから急激に広まり、モルタルと比較してコストも安く工期が短い上、洋風でお洒落なイメージから採用される方が多かったようです。

     多くのお住まいに使用されているサイディングですが、1990年代当時の施工方法が「直貼り工法」である一方で、現代では「通気工法」に変わっており、またサイディングの厚みも違っています。
     特に、「直貼り工法」でサイディングを施工されたお住まいの場合には、「通気工法」との違いを把握した上でメンテナンス方法を検討する必要があります。

     直貼り工法で施工されたサイディングのメンテナンスで後悔しない為にも、直貼り工法の特徴や、リフォーム方法について解説させて頂きます。

    昔と今のサイディングは全く違います

     1990年代から急速に普及したサイディングですが、2000年頃になって直貼り工法の問題点が見つかった為、施工方法が「直貼り工法」から「通気工法」に変更する建設会社や工務店が増えました。

     まずは、「直貼り工法」と「通気工法」の違いを解説いたします。

    直貼り工法

    構造用合板に透湿防水シートを設置した上に窯業系サイディングを施工

     当時のサイディングは、12㎜程度の薄いボードが使用されていました。
     直貼り工法は、構造用合板に対して透湿防水シートを張った後、そこにそのまま窯業系サイディングを釘打ちで固定する方法です。

     古い在来工法の場合には、柱の外側へ透湿防水シートを貼り付けて直貼りしているケースが多いです。

     最近では改修工事に窯業系サイディングを採用するケースも増えてきています。
     しかし、下地材が構造用合板ならまだしもコンパネに直貼りをしているお住まいも存在する為、その様な施工を行う業者へ依頼をしない様に注意しましょう。

    上から見た直貼り工法の断面図
    横から見た直貼り工法の断面図

    通気工法

    通気工法は外壁と透湿防水シートの間に胴縁を設置し通気用の隙間を設けサイディングを施工

     柱に対して構造用合板を設置し、通気用の隙間を設ける為に「胴縁」という木材を設置した上でサイディングを施工します。胴縁は外壁材の向きと垂直になり、縦張りの場合は胴縁が横になり、横梁の場合には胴縁が縦に設置されることになります。

     前述の通り当時は厚さ12㎜の薄いサイディングが使用されていましたが、現在発売されているサイディングは最低でも14㎜です。最大で18mmのサイディングもありますが、費用と性能のバランスが取れている14㎜~16㎜の厚さが人気です。

     厚さ14㎜のサイディングの場合は釘打ちによる固定ですが、15㎜以上のサイディングであれば金具による固定方法となります。

    通気工法を上から見た断面図
    通気工法を横から見た断面図
    窯業系サイディングについて詳しくはこちら

    直貼り工法の問題点と見分け方

     直貼り工法は貼り付けるだけの作業方法である為、コストを抑えて工期も短く施工することが出来ます。しかし、外壁内部へ水分や湿気が侵入してしまいますと隙間が無い事から水分が逃げる事が出来ず「結露」が生じてしまう問題があります。
     水分が長時間滞留してしまう状態はカビの発生原因にもなり、さらに外壁材が腐食してしまう事に繋がってしまいます。

    直貼り工法で施工されている場合、外壁内部に水分や湿気が溜まり結露が起きやすくなります

     そうした被害を防止する為の新たな施工方法が「通気工法」です。胴縁を使用する事で隙間を作り、侵入してしまった水分の逃げ道となります。

     当時にサイディングの施工を行った場合であっても通気工法で施工されている場合もあります。しかし、1990年代初めにサイディングの施工を行ったお住まいの場合、直貼り工法によって施工されているお住まいである可能性がありますので、それに適したメンテナンスが必要です。

    1990年代に建築されたお住まいは直貼り工法で施工されている可能性があります

     ここまで「直貼り工法」「通気工法」の施工方法の違いをご紹介してまいりましたが、お住まいのサイディングがどちらの施工方法で施工されているかを確認したいとお考えの方もおられると思います。外壁材を剥がしてしまえば確実に確認できますが、想像以上にリスクが大きい為、この確認方法はおすすめ出来ません。

     そこで、以下にご自身でも行える簡単な確認方法をご説明いたします。
     写真のように外壁材と基礎の間には水切り板金がありますが、板金と外壁材には隙間が空いていると思います。その隙間に定規・カードなどの薄いものを差し込むことで奥行きを確認します。
     1~1.6cmの奥行しかなかった場合はサイディングの厚みのみである為、直貼り工法で間違いありません。また、2.5~3cmだった場合や、指が入る程度の隙間がある場合には胴縁部の厚さもあることから、通気工法で施工されていると推測出来ます。
     1階の屋根(下屋根)がある場合には、その外壁と屋根の取り合い部に存在する雨押さえ部分から推測する事も出来ます。

    外壁の奥行きで施工法を判断できます

    直貼り工法は外壁塗装をおすすめしておりません

     直貼り工法であるからと言って必ず異常が発生する訳では無いですし、十数年何事も無く生活できるお住まいもあります。しかし、直貼り工法が原因により発生してしまう大きな問題が「外壁材・塗膜の剥がれ」です。

    外壁の補修を迫られる症状

     前述しました様に、直貼り工法は水分の排出口が無い事から結露が発生しやすく、逃げ場のない内部の水分は閉じ込められてしまいます。その状態が続きますと内部の水分は、排出する為に窯業系サイディングを腐食させるように働いてしまいますので、サイディングの表面剥離を引き起こしてしまいます。
     また、冬の季節には外壁内部の水分が凍結してしまう事があります。凍結した水分は体積が増加してしまいますので、サイディングを持ち上げたり割れなどの被害を生じさせてしまう原因となります。

     こうした状態は塗装を施した後も変わりません。例え外壁塗装を施してもどこからか水分が入り込んでしまえば、水分が抜けだすように動くことで塗膜の膨れ・剥離を引き起こしてしまいますので、塗装自体が無駄になってしまいます。

    直貼り工法で剥がれが起きる仕組み
    通気工法が湿気を排出する仕組み

     こうした症状は特に湿気が多い北面や、浴室などの水廻り外部で発生しやすいです。しかし、全面直貼り工法であることから、こうした症状が発生する可能性はお住まいのどこにでもあります。外壁材の表面や塗膜の剥がれが生じてしまった時点で下地は水分により劣化・腐食が進行している状態ですので、塗装や簡易的な補修で回復させることは出来ない状態です。

     外壁塗装の目的は、外壁の美観や耐久性を回復・維持する事です。しかし、直貼り工法で施行が行われた窯業系サイディングへの外壁塗装は、逆に腐食の促進や美観を損ねてしまう結果に終わってしまう可能性があります。

    外壁材の経年劣化や結露から浮き・剥がれを起こす危険もあり塗装はオススメできません

     また、水分・湿気を逃がすことが出来る透湿性塗料を使用すれば外壁塗装が可能と説明されている事があります。しかし前提として12㎜の厚さしかなく湿気が逃げにくい外壁に塗装を施したとしても、窯業系サイディングの保護が十分とは言えません。さらに、塗装を施した後に浮き・剥がれなどが発生した場合であっても、元々の外壁構造に問題がある事を理由に施工保証が適用されない・補修してもらえないといったリスクが非常に大きいです。

     大事なお住まいを不安なく生活できる環境にする為にも塗装メンテナンス以外の最適なリフォーム方法を検討する必要があります。

    窯業系サイディングの反りやひび割れが起こる 原因と補修方法について詳しくはこちら
    塗料と外壁材の相性について詳しくはこちら

    直貼り工法の窯業系サイディングに最適なリフォーム方法

    1. 張替工事

    既存の外壁材を剥がします

     張替え工事は既存の外壁材を全て撤去して張替えを行う施工方法です。

     張替え工事は既存の外壁材を剥がした段階で破損してしまう関係上、新しい外壁材を用意する必要があります。その為、コストも大きくなってしまう事から全面改修が必要なお住まいにはおすすめ出来ません。

    外壁張り替え工事の仕組み
    張替工事の施工前
    張替工事の施工前
    張替工事の施工中の様子
    張替工事の施工中の様子
    張替工事の完工写真

     1面のみ、もしくはバルコニーのみに腐食などの症状が発生している場合には部分張替えで対応可能であり、コストも抑える事が可能です。ただし、既存の外壁材が廃盤になっている場合ですと、周囲の外壁材とデザインが異なってしまう事や、厚みが若干変わってしまいます。お色も周りの外壁と比べて浮いてしまう為、必要なタイミングであれば外壁塗装をご提案させていただくこともあります。

    ●サイディングの部分張替

    カバー工事の施工中写真
    カバー工事の施工中写真
    カバー工事の施工中
    カバー工事の施工中
    カバー工事の施工後

     元々の工法が直貼り工法であった場合、既存外壁材と凹凸になる事を防ぐ為に直貼り工法で復旧していきます。当然、透湿防水シートを併せて設置する事で湿気対策をしますが、今後も浮きや剥がれ、腐食などの被害が発生してしまうリスクは残ってしまいます。

    サイデイング張替工事について詳しくはこちら

    点検・お見積りは街の外壁塗装やさんへ

    2. 外壁カバー工法

    外壁カバー工法は全面リフォームにおすすめ

     外壁カバー工法は、全面リフォームをご検討されている場合におすすめです。軽量でありながら耐久性・耐腐食性に優れるガルバリウム鋼板を既存外壁材に被せる様に設置する施工方法です。

     部分張替えとは違い、外壁内部の湿気・水分を逃がせる様に胴縁を設置して隙間を作ります。

    外壁カバー工法の仕組み
    外壁カバー工法、施工前
    外壁カバー工法、施工前
    外壁カバー工法、施工中
    外壁カバー工法、施工中
    外壁カバー工法、完工後

     最下部である土台水切り部、最上部の軒天取り合い部には、空気の対流の為に必ず隙間を設けます。
     ただし、軒天部分から雨水などが浸水しない様にしっかりと納めます。

     カバー工法の施工を行ってしまいますと、今後、下地外壁の補修工事などを行う事が出来なくなります。その為、カバー工法を施工する前には丁寧な処理をしていく必要があり、それによりお住まい全体の耐久性も大きく変わってきます。
     また、金属外壁と聞くとシンプルなデザインをイメージされる方も多いと思われますが、現代ではインクジェット技術が進歩したおかげでバリエーションも非常に豊かになっている為、ご安心ください。

    今後も長く安心して生活したいという方には外壁カバー工法をお勧めしております

     直貼り工法によって施工されているという事はお住まいの築年数もある程度経過しており、メンテナンスも必要な状態にあるでしょう。現在のお住まいに安心して長くお住みになりたいとお考えの方には、外壁カバー工法がおすすめです。一度施工してしまえば10年程度は簡易的な清掃・傷のチェック、15年程度で塗装メンテナンスを行うだけで外壁の美観・耐久性を維持する事が出来ます。

    外壁リフォーム比較はこちら 

    施工会社を選ぶポイント

     今回、直貼り工法で施工された窯業系サイディングへ外壁塗装によるメンテナンスは適さないとご紹介させて頂きました。しかし、「浮き・剥がれも発生していないから塗り替えにより美観を回復させたい」とお考えの方もおられると思います。その場合には、発生する不具合のリスクや、塗装完了後の保証の有無を確認しておくことが大切です。

     今現在、特に問題が発生していなくても塗料との相性により浮き・剥がれが生じてしまう場合もあります。美観を綺麗にするために施した塗装で逆に美観が損なわれてしまう事や、補修が必要な箇所が拡大してしまうリスクもありますので、施工前に確認が出来るポイントは必ずチェックしておくことをおすすめいたします。

    塗り替える前に塗装のリスクや施工の保証を確認しておきましょう

     また、業者の選定にも注意が必要です。
     通気層となる胴縁を設置しないまま外壁カバー工事を行うなど、適当な施工を行う工事業者も存在する為、外壁に対する知識や経験、施工実績を豊富にもっている施工業者を選定する必要があります。
     同様の施工実績があるか?こちらの質問に適切で誠実に答えてくれるか?説明は分かりやすいか?などがポイントとなってきます。

    外壁張り替えやカバー工法を行う場合は施工会社の実績と知識を見極めましょう

     外壁カバーを施工できるのは下地の状態が良いと判断された時に限りますので、施工保証は当たり前につくはずです。施工保証は施工会社が工事に自信を持っている証拠でもありますので、必ず施工保証を付けている施工業者へ依頼しましょう。
     私達街の外壁塗装やさんでは、外壁カバー工法、外壁補修、外壁塗装まで幅広い工事に対応する事が可能です。点検からお見積りの作成まで無料にて承っておりますので、お住まいのご不安事・ご心配事がある方がいらっしゃいましたらお気軽にお問合せ下さい。

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    窯業系サイディングの直貼り工法のお住まいに外壁塗装は出来る?最適なリフォーム方法をご紹介まとめ
    • ・1990年代に建てられたお住まいのサイディング外壁は、直貼り工法によって施工された可能性があります。施工方法・サイディングの厚みも違う事から、メンテナンス方法を検討する必要があります

    • ・直貼り工法には外壁内部に水分や湿気が滞留し、結露が発生しやすくなるといった大きな問題があります。通気工法と直貼り工法は、外壁材内部の奥行を確かめる事で簡単に見分ける事が出来ます

    • ・直貼り工法で施行されたサイディングは、結露を原因として外壁材や塗膜に浮き・剥がれが生じていしまうリスクが大きいです。一部では透湿性塗料による塗装が適していると言われていますが、結露や外壁材の経年劣化により浮き・剥がれが生じてしまう可能性がある為、おすすめできません

    • ・直貼り工法で施工されたサイディングのリフォーム方法には外壁の張替え、外壁カバー工法が挙げられます。一部分の張替えも出来ますが、全面的な施工を行う場合には軽量で耐久性に優れるガルバリウム鋼板を使用した外壁カバー工法がおすすめです

    • ・窯業系サイディングの状態を確認した上で塗装をご検討されている場合、施工後に生じる不安や施工保証の有無を予め確認しておくことが重要です

    • ・状況によっては直貼り工法・通気工法、どちらで施行されたかを判断する事が難しい場合もあります。メンテナンス方法を決める為にも施工方法の確認は必要不可欠である為、ご心配であれば私達、街の外壁塗装やさんまでお問い合わせください。

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