外壁や屋根の塗装完了後、乾燥期間は気温によって変わります。夏は短時間で乾燥しますが、冬場では一日が必要です。
十分な乾燥がないと、塗膜は早期に劣化し、見た目も機能も損なわれます。このプロセスの成功は、塗装技術者のスキルに大きく依存するとも言えます。
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更新日 : 2024年03月15日
更新日 : 2024年03月15日
外壁や屋根の塗装完了後、乾燥期間は気温によって変わります。夏は短時間で乾燥しますが、冬場では一日が必要です。
十分な乾燥がないと、塗膜は早期に劣化し、見た目も機能も損なわれます。このプロセスの成功は、塗装技術者のスキルに大きく依存するとも言えます。
目次
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【動画で確認「塗料の乾燥時間」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
一般的に屋根や外壁を塗装する場合、下地処理を丁寧におこなうことが大切であると言われています。しかし、これだけが重要というわけではなく、下塗り、中塗り、上塗りそれぞれの段階で塗料をきちんと乾燥させることも大切です。これによって、見た目の仕上がり、性能、耐用年数が変わってくるからです。
適した乾燥時間は、塗料よって異なります。詳細はメーカーのカタログなどに記載されており、指示通り進めていくことで、塗料が持つ性能を発揮することができます。しかしながら、これを無視したり、軽視して塗装してしまうと、期待した効果は十分に発揮されません。
・メーカーが規定している塗料の乾燥時間(日本ペイント・パーフェクトシリーズの場合)
※日本ペイントパーフェクトシリーズカタログpdfより引用
残念ながら、乾燥時間を守らず塗装する業者も存在します。業者任せにせず、ご自身でも使用する塗料のおおよその乾燥の目安を把握しておけば、不適切な施工を防ぐことができるでしょう。
乾燥が不十分な場合、塗料と下地が密着しづらくなります。数年程で塗膜が剥がれてきたり、色あせが生じたりするなど、様々なトラブルが起こりやすくなるのです。
厄介なのは、塗装後すぐにこういったトラブルが発生するわけではないということです。
乾燥が不十分だったとしても、塗った直後はきれいに見えるため安心してしまうのですが、本来10年程度塗膜が持つ塗料であっても数年後にはボロボロになってしまう可能性があるのです。
艶がなくなり色褪せが起こる、塗膜にひび割れや剥がれが見られるなどの症状は、経年劣化でも見られます。そのため、当初聞いていた耐用年数よりずっと早い時期にこういった症状が出ても、あまり気にしない方もいるようです。また、施工不良なのか経年劣化なのかを後から突き止めるのは非常に困難であるため、保証を付けずに適当な工事を行い、経年劣化だと言い逃れする業者がいるのです。
塗料の耐用年数に対して保証をつけていない業者は、本当に要注意です。
これまでご紹介してきたように、塗料の乾燥に必要な時間は製品ごとに違いがあります。また、それだけではなく、天候や気温によっても乾燥に必要な時間が変わってくるのです。
気温が高ければ乾燥時間は短くなりますし、反対に気温が低ければ乾燥時間は長く必要になります。同じ塗料でも、夏場では数時間、冬には丸一日かかるといったこともあります。そのため、季節に応じて工期が変わってくることを覚えておきましょう。
雨天や雪など、悪天候の日には塗装ができません。また、気温5℃未満、湿度85%以上の時も避けるのが一般的です。このような理由もあり、比較的天気と気温が安定している春や秋が塗装に向いていると言われています。
塗装は、下塗りと中塗り、上塗りをおこなうことになりますが、それぞれ乾燥にかかる時間が異なります。塗料には、水性、1液型溶剤、2液型溶剤があります。それぞれの乾燥時間について、比較してみましょう。
例として、窯業系サイディングで水性塗料と1液型溶剤塗料で外壁塗装した場合と、スレート(コロニアル・カラーベスト)屋根に、2液型溶剤塗料を塗装した場合で比べてみます。気温は23℃。塗料は、日本ペイントの「パーフェクトシリーズ」です。
これらの塗料の乾燥時間は、どれも「3時間以上」となっています。異なる塗料なのに必要な乾燥時間が揃っていて、これなら扱いやすくミスが起こりにくいですね。メーカーの努力によって、職人が使いやすく安心安全な施工ができるようになっているのです。外壁材の違いや塗料の違いなどで間違いが起こりにくいということは、施工をご依頼されるお客様にとってもメリットだと言えるでしょう。メーカーの努力が、塗装に携わるすべての方の安心につながっているのです。
日本ペイント・パーフェクトシリーズの規定乾燥時間
中途半端な乾燥状態で、次の塗装をするのは仕上がりに問題が生じるとお伝えしてきました。では、乾燥時間が長い分には問題がないかというと、それは間違いです。
ファインパーフェクトベストを見ると、下塗りと中塗りの工程では「3時間以上、乾燥させたら7日以内に次の重ね塗りをしてください」とあります。つまり、乾燥時間には上限もあるということです。
上限については、乾燥させすぎると良くないというよりも、長過ぎる乾燥時間を設けてしまうと、ホコリやゴミなどが付着してしまうことが理由です。こういった状態になると、塗装が難しくなります。つまり、乾燥時間は、短すぎても長すぎても良くないということです。
日本ペイント・ファインパーフェクトベストの規定乾燥時間
塗料を塗れば、それで塗装が完了というものではありません。適切な下処理から塗装と乾燥を重ねることで丈夫な塗膜がつくられ、美しい塗装がようやく完成するのです。
塗料を塗る技、そして気候や温度を確かめながら十分乾燥させる必要があるという知識。もちろん、塗料を塗ったまま、長く放って良いというわけでもありません。乾燥時間にも上限があるため、さまざまな角度から塗装にふさわしい日を選び、きちんとやるべきことをやりながら進めていくことが求められます。
塗料は半製品です。塗装後の乾燥が終わり、建物を保護できる状態になって初めて「製品」としての効果を発揮します。
もし、乾燥時間の大切さを知らない業者が塗装をしてしまえば、長持ちしない塗装になってしまうでしょう。
これまで何度も、塗装には適切な乾燥が必要であることをお伝えしてきました。どれくらい乾燥しているのか確認しながら次の塗料を塗布することになるのですが、乾燥状態によって表現が異なります。
3段階、あるいは4段階に分けて乾燥状態が表されるのですが、今回は4段階のものをご紹介していきます。
塗装面を、爪先ではなく指の腹で触った際に、塗料が付かない程度の乾燥状態です。まだきちんと乾いていない状態なので、重ね塗りはできません。
塗装面を軽く擦っても影響がない状態です。ここまで乾燥させていれば、重ね塗りをしても問題ありません。
塗装面を爪先ではなく指の腹で押してみても何ら問題なく、塗装面に指紋も付かない状態です。塗装面だけでなく、塗装内部もかなり乾燥していると思っていて良いでしょう。重ね塗りをしても問題ありません。
塗装面、塗装内部のどちらも完全に乾燥した状態です。ここまで乾燥すれば、酸やアルカリといった薬品でも影響を受ける心配はありません。もちろん、重ね塗りをしても問題ありません。
日本ペイントのサーモアイシリーズや、脅威の耐用年数を誇るスーパーセランシリーズの光沢保持率(塗装された面に対して光を当て、その反射率を計測する)を見てみると、意外なことがわかります。塗装完了直後と比較して、1年経った後のほうが光沢保持率は高くなるのです。
「スーパーセランシリーズは完全硬化までに約6ヶ月かかり、この期間中は汚れやすく、光沢も微妙に劣る」メーカーから、このように報告されています。
つまり、塗装直後よりもしばらく経ってから塗料の性能が本領発揮されるということです。日本ペイントからは公式のアナウンスがありませんが、同じような結果になっているのではないでしょうか。
乾燥するメカニズムも塗料によってさまざまで、塗装後に水分(溶剤)が蒸発することで乾燥するものや、水分の蒸発と共に化学変化することで塗膜がつくられるものもあります。
この中で、外壁と屋根の塗装に使用される塗料の多くが、「融着乾燥」と「重合乾燥」です。両者を比較した場合、化学変化しながら塗膜を形成する重合乾燥のほうが、丈夫な塗膜がつくることができます。
水分と溶剤が蒸発し乾燥することで、それまでバラバラだった樹脂や顔料が融着し、塗膜がつくられます。
2つの液体を混合させる(2液型塗料)ことで化学変化が起こり、塗膜がつくられます。樹脂の分子が結合し、分子量の増えた新たな化合物となり強い塗膜が形成されます。
塗装を依頼した場合、できるだけ早く完成させてほしいと思う方が多いと思います。しかしながら、このように各工程で十分な乾燥が必要になるため、場合によっては想像していたよりも長く時間がかかってしまうこともあります。また、雨で施工日そのものがズレる場合もあるかもしれません。いずれにせよ、塗装は乾燥工程が重要ポイントとなるため、早ければ良いというものではないことをご理解いただきたいと思います。
天候、温度などによって、乾燥時間が変わってきます。知識のある業者であればこれらをよく理解しており、その日の気温や風の強さなどから、「南面は▲▲時間くらいで乾きます」などと伝えてくれます。
街の外壁塗装やさんでは、進捗管理や乾燥時間の管理などを細かくご報告しております。工事開始から完了まで、お客様に安心していただけるように努めていますので、工事中、何か気になることやお聞きになりたいことがある際は、遠慮なく何でもご質問ください。
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