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更新日 : 2024年05月15日
更新日 : 2024年05月15日
【外壁塗装】トタン屋根・外壁の最適なメンテナンス【張替え】
金属製の屋根材や外壁材と言えば、昔はトタンが一般的でした。一般的な住宅に使われることも多く、倉庫や工場などでも使用されていました。現在は、トタン以外にも金属製の屋根材や外壁材の種類が増えたため、昔と比較すると数はあまり多くはないように感じられます。しかしながら、トタンならではのメリットもあるため、好まれる方もいます。
今回は、トタン屋根材やトタン外壁を良い状態に保つためのメンテナンス方法をご紹介したいと思います。また、すでに何らかの劣化状態が見られる方は、リフォームを検討されてみてはいかがでしょうか。リフォームを検討した方が良い劣化症状についても併せてご紹介します。
【動画で確認「トタン外壁や屋根のメンテナンス」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
目次
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トタンとは?
「トタン」という素材にどのようなイメージをお持ちでしょうか?多くの方が「錆びやすい」というイメージを持っているのではないでしょうか。
トタンとは、亜鉛を用いたメッキで覆われた鋼板です。メッキによって鋼板よりも錆びにくくなっているのですが、メンテナンスをしていない建物が多く見られます。そのため、錆びが発生したままの建物をよく目にすることになり、このようなイメージが付いているのかもしれません。
本来トタンは、きちんと適切なメンテナンスをすることができれば、綺麗な状態を長く維持することができます。トタンならではのメリットもたくさんあり、1911年から100年以上もの長きにわたって使用されていることからも、それがお分かりいただけるのではないでしょうか。
トタンのメリットとデメリットについて
●価格が安く、軽量
●メンテナンスをきちんとおこなえば長持ちする
トタンは、亜鉛でメッキした鋼板です。材料費が安価なため、価格が安いことが魅力です。また、価格だけでなく、薄くて軽量なので建物に負担がかかりにくく、耐震性に優れているといった性能面でのメリットもあります。
また、適切なメンテナンスを行うと15年~20年程の耐用年数を発揮すると言われています。トタンで一番多い劣化症状は、やはり錆です。錆は鋼板をコーティングしているめっき成分が現象してしまうことで起こります。そのため、めっき成分が減少しないよう、定期的に塗装で保護してあげることが必要になります。
「錆びやすい」というイメージがもたれているのは、ついついメンテナンスを疎かにしてしまうからなのです。
●加工跡や傷から錆が拡がりやすい
●夏、暑い
トタンを設置する際、切削や加工といった工程が発生します。断面部分はどうしても鋼板がむき出しになってしまうため、錆びやすい状態にあります。また、傷がついてしまった場合にも同じように錆びやすくなってしまうため注意が必要です。釘を打った部分なども同様です。
カラー鋼板は、表側部分は複数回塗装しているのですが、裏側は1回しか塗装していないことがよくあります。そのため、裏側から錆びてくる場合もあります。
また、夏場になると暑いといったデメリットもあります。鋼板は熱伝導率が非常に高く、太陽光を受けると急激に温度が上がってしまい、その熱が室内にも伝わります。こういったマイナス点を補うために、現在では遮熱塗料を使って対策することが可能となっています。屋根葺き替えや屋根カバー工法であれば、遮熱機能がある防水紙を敷くことで厚さを軽減させることもできます。
トタン外壁の建物の現状
建てられてから数十年が経過した建物多数、傷み次第では塗装ではなく張替えを
トタン外壁が注目され日本で広く広まったのは、1970代から1990年頃です。その当時は、外壁と言えばモルタルが一般的でした。モルタルにも良さがありましたが、施工に長い時間を要しました。 そんな中、プリント鋼板(カラー鋼板)が登場し、そのデザイン性の高さが多くの方から支持されました。モルタルよりも安価で工期も短く、クラックの心配もないといったこともトタン外壁が支持された要因です。
とはいえ、1990年頃にトタンを用いて建てられた物件は、すでに30年以上経過していることになります。トタンの寿命は長くても20年程度であるため、塗装でのメンテナンスに限界がやってくるでしょう。
多くの場合、塗り替えることも可能ではありますが、外壁材は張り替え、屋根は葺き替えかカバー工法を選択したほうが将来的にはコストを抑えられるかもしれません。併せてご検討いただくことをおすすめします。
傷がついている、変形している
トタン屋根の魅力は、薄くて軽いことです。しかしながら、薄いということは飛来物などによって凹んでしまうリスクがあるということでもあります。何かがぶつかって、傷ができていることもあるかもしれません。こういった部分から錆び始めてしまうため、定期点検をするほか、台風等の風の強い日の後は、是非確認してみることをおすすめします。気になることを発見したら、早めに業者に点検してもらいましょう。
☑ 傷ついている場合は塗装で保護
☑ 変形している場合は部分的に張替え
錆が出ている
メッキによって保護されているトタンですが、経年劣化も気になります。メッキが薄くなると、錆が発生しやすくなるからです。何の対策もしなければ、どんどんメッキは薄くなり、どんどん錆びも広がっていきます。錆を見つけたら、早めに塗装しましょう。
☑ ケレンでしっかり錆落としをしてから塗装
穴があいている
トタンに穴があいている場合は、張り替えのタイミングが来ていると思ってください。一部分であれば、その部分だけ交換することも可能です。しかしながら、劣化が進んでいる状態にあるので、これを機に張り替えを検討されることをおすすめします。その際、耐久性の高いガルバリウム鋼板で張り替えをおこなえば、錆の心配が格段に下がります。
☑ 数ミリ程度の穴は、錆を撤去し、シーリングなどで塞ぐことできますが、劣化が進んでいるため、張替えを強くおすすめします。
外壁塗装・屋根塗装
トタン外壁や屋根の傷みが軽度な場合におすすめしているメンテナンス方法です。
錆が出る前に塗れば、トタンが長持ちします。
錆の発生がごくわずかであれば、塗装で対応できます。すでに穴ができていたり端部分が錆びで崩れていたりする場合は、塗装では対応できません。
また、一見表面部分だけが傷んでいるように見えていても、貫通していることがあります。
点検してみてこのような状態にある場合は、塗装ではなく、外壁は張り替え、屋根は屋根カバー工法か屋根葺き替えで対応するほうが安心です。
外壁の張替え
錆により穴が空いてしまっている、変形してしまっている状態で塗装ができない場合のメンテナンス。
錆びて劣化した既存のトタンを剥がし、新しい外壁材に張り替えます。
塗装で対応できない状態にある場合は、錆びて劣化したトタンを剥がして新しい外壁材に張り替えます。
窯業系サイディングを提案する業者もいますが、街の外壁塗装やさんでは金属系サイディングかガルバリウムのプリント鋼板をおすすめしています。窯業系サイディングも素敵ですが、金属系サイディングやガルバリウムには軽いというメリットがあります。
窯業系サイディングの1㎡あたりの重さは、約17.3kg(16mm厚の場合)。金属系サイディングは、3.6~5.0kgです。ガルバリウムのプリント鋼板は、3.4~4.2kg程度となっています。
耐震性を考えた時、できるだけ軽いほうが安心です。
また、建物を支える柱や耐力壁は、そもそも建物の重さに合わせた設計になっています。つまり、トタンを用いたお住まいは、それに合わせた設計でつくられているということです。そのため、屋根材や外壁材がさらに重くなった場合、それに対応できる造りになっているかどうかが懸念になります。
たとえば、外壁の面積が100㎡とした場合、トタンから窯業系サイディングに替えるとおよそ1.4tも増加することになります。このような理由から、屋根材や外壁材を替える場合は慎重に検討する必要があると言えます。
外壁カバー工法はほぼ不可能
トタンを含め、劣化した金属外壁に外壁カバー工法をするのは、現実的ではありません。なぜなら、外壁の重量が増えてしまうため、同じく軽量の金属の外壁材しか使えないからです。
また、金属製の外壁材は、「もらい錆」に注意しなければなりません。これは、本来問題がなかった金属製の外壁材に、風や雨水などで錆が付着してしまうことで錆が広がってしまう現象です。
錆をケレンで落とすことができたとしても、完全に落としきることは難しく、外壁材に錆が付いてしまうと同じように錆が広がってしまう可能性さえあります。
「屋根材は、カバー工法にてメンテナンスができるのに、どうして外壁材はダメなの?」
これは、屋根材の場合、屋根全体を防水紙でカバーした後に新しい金属屋根材を取り付け、既存の屋根からのもらい錆を防ぐことができるのに対し、外壁材はそれが難しいためです。
もう一つ心配なことがあります。それは、「ガルバニック腐食」です。異なる金属同士が接触し、そこに水分が加わると電気が生じ、金属のイオンバランスが崩れて腐食する現象です。つまり、金属が錆びてしまう(腐食)ということです。
異なる金属を合わせてしまうような工事をしてしまうと、こういった心配が生じます。ステンレス、アルミ、ガルバリウムなどさまざまなものがありますが、別々の金属が接触するような工事をすれば、このリスクが高まるのです。メッキしたものを使用するにせよ、外壁材は長期間使うことになるため、どのような結果になるのかわかりません。
このような理由から、すべてを張り替えるほうがさまざまなリスクを抑えられると言えるのです。
トタンの種類
波板だけではありません!トタンに見えないさまざまなデザインがあります
プリント鋼板もおすすめです!
多く目にするトタン波材だけでなく、おしゃれなデザインが魅力のトタンもたくさんあります。
模様が焼き付け塗装されたプリント鋼板や、エンボンス加工されたものなどもあります。トタンに興味がある方や、トタン外壁材をそろそろ張り替えたいとお考えの方は、選択肢の一つとしてご参考ください。
プリント鋼板(カラー鋼板)
メッキされたトタンの上に、模様を印刷してクリア塗装で仕上げたものです。木目調、クロス調などいろいろなデザインがあるほか、エンボス加工で凸凹を設けたものなどもあり、イメージに合ったものを選ぶことができます。プリント鋼板が登場するまでは、トタンと言えば波板という認識でしたが、現在ではおしゃれなものも多数存在しています。
トタン板
コイル状のトタンを、屋根材用に加工したものです。瓦棒と呼ばれることもあります。軽くて耐震性が高いといった良さがあります。ただし、錆防止のために高頻度で塗装メンテナンスが必要になります。
寿命が近くなったら屋根葺き替えかカバー工法などでリフォームが必要です。
トタン大波(波板1号)
大きい波型が特徴のトタン板です。ほかに小波タイプもあるため、区別のために波板1号と呼ばれる場合もあります。
波の大きさが76.2mm、波の高さが18mm。鋼板の厚さはそれぞれ異なっています。全体的に薄くて強度が弱めです。アーチを取り入れて凹まないように施工されます。
トタン小波(波板2号)
小さい波型が特徴のトタン板です。大波との区別のために波板2号と呼ばれる場合もあります。
波の大きさが31.8mm、波の高さが9mm。波が多数あり、全体的に強度が高めにできています。外壁や屋根などさまざまな用途に使用されています。
番外編 ガルバリウム鋼板製のトタン小波(波板2号)
ガルバリウム鋼板でつくられたトタン小波です。形状も見た目もほとんどトタンと同じですが、トタンよりも錆に強く、トタンと比較しておよそ3倍の耐久性があると言われています。価格もほぼ同じなので、より長持ちするものを探している方は前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
トタン外壁や屋根のメンテナンス、実際の施工例
ガレージ兼事務所のトタン屋根とトタン外壁をガルバリウムに張替え
DIYで、ガレージ兼事務所の外壁をつくったそうです。屋根はトタン葺きで、外壁はブロック塀とトタンが使用されていました。トタンの劣化が気になってきたこともあり、ガルバリウムへの張替えを検討中とのことでした。
点検の様子
もともとガレージ兼事務所として使用されていたそうですが、現在は事務所として使うことがほとんどだそうです。屋根と外壁の3分の1がトタンでしたが、点検してみると屋根に錆が出ていました。雨漏りはありませんでした。
屋根の張り替え
ご覧のように、屋根部分に継ぎ足しされた跡が見られます。この方法は、古い屋根から新しい屋根へと錆が流れて寿命を縮めてしまうため、おすすめできない施工です。
ブロックとトタンでつくられている状態ですが、ガルバリウム鋼板で全体を張り替えることになりました。もちろん、設置されている窓を活かした施工をおこないます。
トタン屋根の張替え
トタンを剥がしてみると、断熱材も取り入れられたしっかりした建物だとわかりました。トタンは錆が目立っていましたが、内側は雨の侵入などもなくきれいな状態でした。野地板を張り、屋根を補強します。
その後、防水紙を敷いてガルバリウムの波板をビス止め。新しいきれいな仕上がりになりました。防水紙を敷いているので、雨や雪の影響を受けにくい錆びに強い屋根が完成しました。
トタン外壁の張替え
木材の骨組み部分は、断熱材も取り入れられており、腐食などの傷みもない良い状態であることがわかりました。変色した部分はありますが、大きな影響はないようです。
ブロック塀の部分は、外壁カバー工法で対応します。ガルバリウムの外壁材を貼れるように、下地に胴縁を取り付けました。
次に、透湿防水シートのKMEWウォーターガードを取り付けます。これを設置することによって、内側の湿気対策が可能になります。外壁材は、IGサイディングの「ガルスパン」。外壁材と断熱材が一つになっているのが特徴で、快適な室温が期待できます。
竣工
落ち着いたきれいなカラーの建物に生まれ変わりました。窓も残されています。断熱材も入っていますので、これまで以上に快適な空間になっているはずです。耐久性が高いガルバリウム鋼板を使っているので、今後20年は良い状態が続きます。
倉庫のトタン屋根とトタン外壁、トタン内壁の塗装
倉庫2棟の塗装をしてほしいとご相談を受けました。1棟は平屋でトタン屋根にトタン外壁、もう1棟は2階建てで瓦屋根にトタン外壁です。今まできちんとメンテナンスをされていたようで、既に築45年が過ぎているとは思えない良い状態が維持されていました。
点検の様子 トタン屋根にトタン外壁の平屋
平屋の倉庫を点検すると、屋根と外壁の両方に色あせが感じられました。外壁は、チョーキング現象も見られます。屋根は、わずかですが錆も確認できました。
点検の様子 瓦屋根にトタン外壁の2階建て
二階建て倉庫は物が多い状態だったため、塗装をきっかけに処分することにしたそうです。
こちらの倉庫は、鉄骨を四角に組み、そのなかに総二階の建物を入れたようなつくりになっています。
足場の仮設
2棟が隣接しているので、すべてを囲むように足場を設置しました。寒く雪が残っている状態だったので、足場の仮設も慎重に進めました。
高圧洗浄
2階建て倉庫が、鉄骨造りであることがはっきり認識できます。鉄骨造りに軽量のトタン外壁という倉庫なので、揺れにも強風にも強い丈夫な建物であることがわかります。トタンの外側と内側の両方に塗装するため、倉庫の内部も高圧洗浄できれいにしました。
トタンは、その多くが表面を3回塗りで仕上げます。しかしながら、裏面は錆止めを一回おこなうだけのものも少なくありません。そのため、環境によっては内側部分から腐食する場合もあります。湿気が多い場所やつくりであれば、そのリスクは高まります。 裏面も塗装すれば、腐食を防いで長持ちさせることができます。
ケレン作業・下地調整
錆が多く見られる部分と、ほとんど見られない部分がありました。張り替えた時期が異なっているのかもしれません。
錆は、鉄骨部分も含め、ケレンで丁寧に取り除いていきます。
屋根塗装 トタン屋根にトタン外壁の平屋
はじめに、既存のトタン屋根に下塗り用の白い塗料を塗装していきます。これは、錆止め効果のあるプライマーです。シリコン塗料で、中塗りと上塗りをおこないました。
外壁・内壁塗装 瓦屋根にトタン外壁の2階建て
錆び止め塗料を下塗りします。使ったのは、日本ペイントの弱溶剤形2液エポキシさび止め塗料の「ハイポンファインプライマーⅡ」です。
倉庫の内側部分と鉄骨を塗装します。広範囲の塗装になりますが、隅々まで塗ることで耐久性を上げることができます。
中塗り以降は、すべてラジカル制御塗料「ファインパーフェクトトップ」で塗装していきます。この塗料は、紫外線による劣化を防止する効果が高いといった特徴があり、人気もあります。クリーム色のきれいな仕上がりになりました。
シャッター塗装・鉄骨塗装
「クリーンマイルドウレタン」のグレーで仕上げました。鉄骨は、「ファインSi」で仕上げています。
クリーム色の外壁とシャッターのグレーの組み合わせも、なかなか素敵です。全体的に、きれいですっきりとした雰囲気に変わりました。
竣工
周囲の方々からも好評だったそうです。塗装によって、見た目がきれいになっただけでなく、安心して使えるといった大きなメリットも得ていただきました。喜んでいただけて、大変うれしく思っております。
街の外壁塗装やさんは日本全国へ展開中です!
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