近年の住宅で主流となっている窯業系サイディング外壁。色や柄のバリエーションが多く、さらにはレンガ風、木目調、タイル風といった素材の風合いまでもさまざまな選択肢から選ぶことができる外壁です。
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更新日 : 2024年05月24日
更新日 : 2024年05月24日
窯業系サイディングの外壁塗装のタイミングは?自分でできる塗装前のチェックポイントを詳しく解説
目次
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お住まいの外壁が窯業系サイディングの方は、どのような理由から外壁材を決められたのでしょうか。施工費が安い・耐久性が高い・デザインが豊富など、様々な理由があると思いますが、よく聞く声の中には、「メンテナンスが要らないから」という理由もあります。確かに業者の中には「窯業系サイディングはメンテナンスフリー」といったようなことを言う者もいますが、実は決してそんなことはないのです。
一定の年月が経過すれば塗装の劣化によって防水性能は低下しますし、目地のコーキングも傷みますので、何かのついででも結構ですので、定期的に点検するようにしましょう。
窯業系サイディングの原料は繊維質で、混和材を混ぜて軽量化を図りつつ、強度をもたせています。材料を混合して成型したものに熱や圧力を加え化学反応を起こし、乾燥させれば窯業系サイディングのベースができます。原料を型にはめて成型するので、パターンやテクスチャーは多種多様です。その後は規格に合わせて裁断し、塗装すれば外壁材として完成します。
ひと昔の窯業系サイディングの厚みは12㎜でしたが、今では凹凸によってデザイン性を高められることから14㎜以上となりました。
また、厚みが14㎜なら釘打ちで固定しますが、16㎜以上なら金具を使います。「釘」か「金具」のどちらで固定されているかで、窯業系サイディングの厚みを把握することが可能です。ただ、コーナーや面積が小さい部分では、金具は使いにくいため、16㎜の厚みの窯業系サイディングだとしても釘で固定されることもあります。
厚み以外にも、時の流れとともに変化したことがあります。窯業系サイディングの走りは1974年にニチハが発売した防火外壁材「モエン」ですが、当時はアスベスト(石綿)が含有されていました。しかし、アスベストの危険性が指摘されはじめたことを受け、2004年にはアスベストを含まないサイディングが製造されました。また、サイディングの施工方法にも変化がみられるようになっていったのです。
かつてのサイディングと言えば、透湿防水シートという防水シートに直接サイディングを貼り付けていく「直貼り工法」が一般的でしたが、この工法には欠点がありました。外壁内に風の通り道となる通気層が無く、外壁内に湿気が留まりづけ、結露を起こしやすかったのです。この問題の対策として2000年以降、通気層を確保するために防水シートと外壁材の間に胴縁を設けた「通気工法」が標準の施工方法となったのです。通気工法を用いることで結露の心配が無くなり、空気の層によって断熱効果まで期待できるようになりました。
施工のポイントとして、「胴縁」と「サイディング」は垂直を保たなければなりません。つまり、胴縁が横向きならサイディングは縦張りになり、胴縁が縦の場合のサイディングは横張りです。
お住まいのサイディングが「直貼り工法」と「通気工法」のどちらの工法で施工されているかは、水切り板金の隙間から奥行をチェックすると判別できます。
たとえば、定規を入れて1.5㎝ほどの奥行きなら窯業系サイディング分の厚みしかないため、おそらく直貼り工法です。通気工法ならサイディングの厚みに胴縁分の厚みを加えて2㎝程度の奥行きとなるでしょう。窯業系サイディングの施工方法については、一度チェックしておくことをおすすめします。
1ヵ月に1度くらいは点検してあげましょう!
お家の外回りを掃除しているとき、外壁を見る習慣をつけることをおすすめします。ふだんじっくり見ることがないところは、意識的に見ていると「傷んでいるかも…」という部分を発見できます。傷みは時間が経てば経つほど広がりますので、早期に補修することが費用を抑えてメンテナンスするコツです。ただし、2階の外壁など、ご自身で確認するのが難しい場所もあります。無理をせず地上から目視できるところだけでも、確認しましょう。また、台風などの悪天候の後は、何らかの被害がでることが多いのでチェックすることが大事です。
外壁の汚れが目立っていませんか。
苔や藻、カビを発見したら防水性が劣っている証拠です。
乾燥状態の外壁には汚れが付きにくく、苔やカビも繁殖しません。「外壁がすぐ汚れる」「外壁の汚れが目立つ」と感じるなら、塗膜が劣化して防水性能が低下している可能性が高くなります。
近年の塗料には防苔や防藻、防カビ剤などが配合されていますから、塗膜の効果が落ちていれば、苔や藻なども発生してしまうでしょう。
窯業系サイディングの目地にあるコーキング(シーリング)は汚れていませんか。
コーキングが劣化してくると、コーキングに含まれる可塑剤が分離してしみ出し、そこに汚れが付着するようになります。成分が分離して浮き出ているため、いずれコーキングが痩せ細っていき、ひび割れや亀裂が起こるようになります。最終的には、サイディングとの接着面が剥がれてしまいます。コーキングには、サイディングボードが膨張・収縮などで動く場合の緩衝材、さらには雨水の侵入を防ぐといった重要な役割があります。
コーキングに含まれている可塑剤がにじみ出て黒ずむ現象を「ブリード現象」と言いますが、コーキングに可塑剤が入っていなければ、もちろんこの現象は発生しません。近年では、可塑剤を配合していないノンブリードタイプと呼ばれるコーキングも増えています。
とは言え、コーキング材の柔軟性や弾性を高めるために含まれている可塑剤ですので、ノンブリードタイプのコーキングには代わりとなる成分が入っています。
オート化学工業では、「LSポリマー」という独自技術を使って超高耐久のコーキング材「オートンイクシード」を開発しました。一般的なコーキングはだいたい5年前後が寿命と言われていますが、オートンイクシードはなんと20年超という高耐久を誇ります。
塗膜の劣化症状のひとつチョーキング現象(白亜化)とは、外壁に触れたときに白っぽい粉が付着することです。
新築の頃はどんな外壁も新しく色味も綺麗です。しかし、外壁の防水性を保つために塗られている塗料は、次第に劣化し「色あせ」が起こります。「色あせてきた」と感じたら、外壁塗装を検討する時期と言えるでしょう。さらに劣化が進むと、外壁を触った時に白い粉が手につくチョーキング現象(白亜化)が起こります。
チョーキング現象は、塗料に含まれた顔料が露出している状態です。通常、塗料には塗膜を作る「樹脂」、色のもとになる「顔料」のほか、防苔、防藻、防カビ剤、粘度調整剤といった添加剤が入っています。塗装したばかりの強固な塗膜では顔料は樹脂の中に含まれているため、触っても手に付着することはありません。しかし、紫外線があたり続けることで樹脂成分が分解されると、樹脂内部の顔料が徐々に表面に出てくるのです。顔料によって粉の色は異なり、グレーっぽい外壁ならグレーの粉が出てきます。
チョーキング現象は塗膜の主成分である樹脂の分解されるために起こる症状ですので、チョーキングが見られる外壁は防水性能が低下していますので、早めに外壁塗装されることをおすすめします。
窯業系サイディングは「吸水・乾燥」を繰り返すと反ってしまいます。
サイディングが反ってしまうと隙間が発生するため、雨水が入ってしまいます。侵入した雨水が内側から別のサイディングにも浸み込むため、被害は広がっていきます。
また、サイディングに水が浸み込むと体積が増えます。外壁の表面は日光があたるため乾燥して体積が元に戻りますが、内側は乾燥されずに膨張したままです。つまり、外側と内側で体積に差が生じるため、反りにつながるのです。
窯業系サイディングはビスや釘などで固定しています。
反りなどが起こるとひび割れするケースもあります。
前述したような反りが起こると、ボードを固定しているビスや釘などの部分に本来かからないはずの負荷が加わり、ひび割れ(クラック)が起こることもあります。反り・変形の度合いが大きくなれば、最終的にボードが割れてしまう可能性もあります。
サイディングボードが水を吸った状態で気温が下がると「凍害」が起こる可能性もあります。外壁の凍害は、外壁材に含まれた水分が凍って体積を増すことで起こる現象です。このように、外壁材に水が浸み込むことは、様々な劣化の原因になるので注意しなくてはなりません。
外壁の汚れや苔、藻、カビは洗って落としましょう。水だけでは除去しづらい場合があるので、キッチン用の中性洗剤を使いましょう。外壁材に悪影響があるため、酸性・アルカリ性の洗剤は避けてください。洗うときには、ブラシやスポンジなどの柔らかい素材で優しく擦るように洗いましょう。洗剤を水で洗い流したら、力を入れずに軽く水分を拭き取りましょう。
ここで注意したいのが高圧洗浄機の使用です。家庭向けに販売されている高圧洗浄機では水圧が強すぎて塗膜を傷めるリスクがあるため、使用は控えましょう。
また、塗膜が衰えてくると苔・カビが付きやすくなります。特に顕著なのが日当たりの悪い壁面や樹木が多くて風通りの悪い壁です。「そんなに築年数が古くない」という住宅でも、定期的にチェックしておくことをおすすめします。
コーキングが傷んでいたら、新しくしましょう。地上から作業可能な範囲であればDIYでの補修も可能でしょう。ただし、地上から手の届かない高所では危険が伴いますので、絶対に作業しないでください。
補修の際はコーキング材の耐用年数を考慮しましょう。ホームセンター等で手に入るコーキング材は2~3年程度の耐用年数しかありませんので、苦労して補修してもすぐに劣化・再発してしまいます。二度手間・三度手間とならないよう、専門業者に依頼すると安心です。
また、コーキングの打ち替えは外壁塗装と同じタイミングにすることをおすすめします。コーキングの打ち替えだけだとしても、高所になると足場が必要で、工事費用より足場仮設費用の方が高くつくことも珍しくありません。外壁塗装とタイミングを合わせることで、それぞれの工事に必要であった足場仮設費用が一回分で済むので、お得に工事することが可能です。
コーキングを充填するときに注意したいのが、2面接着か3面接着かということです。目地の左右2面とだけ接着させる工法を2面接着、左右と奥面の全てと接着する工法を3面接着と言います。2面接着よりも3面接着の方が強固に接着し、耐久性が高くなるように感じるかもしれませんが、実はそうではありません。3面全てを接着してしまうと、コーキング材がサイディングボードの動きに追従できず、ひび割れてしまいます。
コーキング材を柔軟に動かすためには、ボンドブレーカーやバックアップ材を入れたうえで2面接着するにすることが重要なのです。
塗膜が劣化し、防水性が失われていれば塗装が必要です。だいたい、新築後10年を目途に塗り替え時期がくると言われています。
ケースバイケースですが、多くの窯業系サイディングの場合、築10年ほどで「色褪せ」や「チョーキング現象」といった劣化症状が表れだします。なかには、築10年以上が経過しても色褪せすら起こらないといったお住まいもありますが、そもそもがフッ素や無機、光触媒塗料などで塗装された難付着サイディングの可能性が高いです。これらのような耐久性の高い塗料で塗装されている場合、あまり劣化していない状態で塗装すると、塗料が密着せずにすぐに剥がれてしまうリスクがあります。「築10年ほど」というのはあくまでも目安ですから、基本的には、艶がなくなってチョーキング現象などの劣化サインが起こったときに「塗膜の寿命」と考えて塗り替えましょう。
初回の塗替え以降は、使用する塗料に応じて塗替え時期がやってきます。塗料によって差が出ますが、大体10年~15年程になるでしょう。
窯業系サイディングにはさまざまなデザインがあり、レンガ調・石壁調といった意匠性サイディングを選ぶ方も数多くいます。しかし、デザイン性が高いサイディングの場合、普通の塗料を塗ると、せっかくのテクスチャやパターンが潰れてしまう可能性があります。「これまでと同じような雰囲気を保ちたい」というときは、透明の塗料で塗るクリアー塗装がいいでしょう。色・柄・雰囲気を損ねることなく、綺麗な艶・防水性能が復活します。
ただしクリアー塗装の場合、落とせない汚れや傷、色あせがあっても、そのまま残ってしまいます。クリアー塗装をお考えのときは、外壁劣化が軽い築8~10年くらいの時期に塗り替えすることをおすすめします。
前述した「直貼り工法」の窯業系サイディングの場合、塗装はおすすめできません。外壁内部の水分は表面からしか抜けていかないため、外壁塗装することで水分の逃げ場が無くなり、乾燥できなくなるからです。
サイディングに見られる反りがそれほどひどくなければ、釘・ビスの増し打ちで対応することもできます。ただし、この方法での補修は、余計な圧力が加わって、ひび・割れを引き起こす可能性もあります。
私たち街の外壁塗装やさんでは、錐で開けた穴にビスで固定することで外壁材への負荷をおさえています。ただし、反りや浮きが再発する可能性もあります。
軽微なひびやクラックが外壁材に見られたときは、パテなどで補修することができます。ひびやクラックの発生箇所によっては、ヒビの周囲をカットしてから補修することで、クラックの進行をおさえることができます。ただし、「補修した箇所」が目立ってしまうため、補修後に塗装して、目立たせないようにしなければなりません。
ひびやクラックが重度の場合には、外壁全体を張替えるか、既存の外壁の上から新しい外壁材で覆うカバー工法を行います。カバー工法は既存外壁材の撤去作業がないので工期が短くなり、張替工事と比べると費用が安くなります。しかも二重の外壁となり、遮音性や断熱性がアップするというメリットもあります。ただし、重量が重くなってしまうので、できるだけ軽い金属サイディングを使用します。
近年の新築住宅のほとんどは窯業系サイディングが採用されています。メンテナンス時期や適した塗料等の認知も広がりましたが、その他のチェックポイントについてはそれほど知られていません。特に、築20年以上が経過している住宅であれば、「塗装が出来る状態なのか?」といったところから確認する必要があるため、窯業系サイディングを扱った実績が豊富であり、深い知識を持っている塗装専門業者へ相談することが重要です。
目地があるサイディングの場合、外壁塗装時に「1階と2階で色を塗り分ける」、「バルコニーだけ差し色を入れる」など、仕上げ方の選択肢が多くなります。理想的に仕上げられるよう、色やデザインのイメージを掴むことも大事です。
街の外壁塗装やさんでは、入念にお住まいの点検を行います。築年数や外壁の状態を的確に把握し、最適なメンテナンスをご提案しています。
また、塗装後のイメージを掴みやすいように、カラーシミュレーションなども行っていますので、ぜひご活用ください。
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