更新日：2025年01月17日

バルコニーは、建物の外部に設置されるため雨風の影響を直接受ける場所です。
そして、バルコニーは勾配が不適切であると雨漏りや排水不良の原因となります。
本記事では、バルコニー防水における勾配の重要性や、勾配不足が引き起こす問題、適切な改善方法について詳しく解説します！

バルコニー防水における勾配の役割

雨水排出の重要性

バルコニー防水で勾配は欠かせない要素です。
勾配（水勾配）とは、雨水や排水を効率的に排出するための床面の傾斜角度のことで、適切な勾配が設計されていると、降った雨水がスムーズに排水口に流れ込みます。
これにより、バルコニー上に水がたまることを防ぎ、防水層の劣化を遅らせることが可能です。

勾配が不適切な場合の影響

勾配が不適切だと雨水が排水口まで流れず、バルコニー表面に「水たまり」が発生します。
この水たまりが長期間続くと、防水層が劣化しやすくなり、雨漏りのリスクが増大します。
さらに、湿気がこもることでカビや苔の発生を促し、美観を損なう原因にもなります。

バルコニー防水の正しい勾配とは？

勾配の基準値

一般的に、バルコニーの勾配は1/50（50mで1mの高低差）以上が適切とされています。バルコニーが5mほどの長さであれば、10cmの高低差が必要ということになります。
この程度の勾配があれば雨水が自然に排水口へ流れるため、水たまりの発生を防げます。

勾配不足が引き起こす問題

排水不良による水たまり

バルコニー表面に水たまりができると、建材が常に湿気を含んだ状態になります。
これにより防水層が劣化し、雨水が建物内部に侵入しやすくなります。
また、寒冷地では冬季に水が凍結し、表面が割れるリスクもあります。

雨漏りリスクの増加

水たまりが放置されると、防水層の小さなひび割れや劣化箇所から雨水が侵入します。
これが積み重なると、雨漏りが建物全体に広がり、修理費用が高額になる可能性があります。

勾配が不足している場合の改善方法

勾配の再施工

傾斜そのものが足りていない場合、雨水が自然に流れる方向を確保するためには、下地全体の形状を見直すことが必要です。
樹脂モルタルを使用することで部分的に勾配を調整することが可能で、最小限の施工でバルコニーの傾斜を調整することができます。

排水設備の見直し

根本的な解決とはなりませんが、バルコニーの排水性を高めるためには排水口周りの点検も欠かせません。
排水口の詰まりを解消するための定期的な清掃や、ドレンの排水性を高める改修ドレンの設置などが有効です。

定期点検で排水トラブルを防ぐ重要性

勾配トラブルを未然に防ぐには、定期的な点検が欠かせません。
特に、バルコニー表面にひび割れや防水層の剥がれが見られる場合は、専門業者による早急な点検が必要です。
また、排水口が詰まっていると勾配の効果が発揮されないため、定期的に清掃するようにしていただくことも大切です。

まとめ

バルコニー防水における勾配は、雨水の排水をスムーズに行い、建物を雨漏りから守るために欠かせない要素です。
適切な勾配を確保することで、防水層の耐久性を高めるだけでなく、建物全体の寿命も延ばせます。
定期的な点検と早期の修理を行い、大切なお住まいを守りましょう。

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