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    更新日 : 2024年05月21日

    更新日 : 2024年05月21日

    外壁の内部はどうなっている?窯業系・金属サイディングやモルタル外壁の構造と断面図

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    外壁と室内の壁の間は、いったいどんな構造?

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     ふだんの生活ではあまり考えることがない「外壁の構造」。外壁のなかがどうなっているのかについては、ほとんどの方が分からないのではないでしょうか。
     でも、実は外壁の構造を知ることで外壁塗装の重要性も見えてくるのです。そこで、今回は外壁の内部の構造について詳しくお伝えしていきます。

    【動画で確認「外壁の構造」】
    長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。

    動画で見たいという方は是非ご覧ください!

    外壁構法(工法)の2つの種類~直張りが主流だった昔、通気構法(工法)が主流の現在

     今でこそ、窯業系サイディングが多くのお住まいに使われていますが、1990年頃までの住宅で主流だったのはモルタル外壁です。また、現在では金属サイディングの外壁も増えてきました。

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     外壁材の変化はもちろん、工法(構法)もだいぶ昔と変わっています。
     2000年頃までは、防水紙に直接外壁材を張って作り上げる「直張り」が主流な工法でしたが、2000年以降から現在では「通気工法」と言って、防水紙の上に通気層をもたせて外壁材を設置する工法が主流です。

     主流になったのは2000年以降からではあるのですが、通気工法が誕生したのは1980年頃のため、2000年よりも前のお住まいに通気工法が見られるケースもあります。

    直張りにはどんなメリット・デメリットがあるの?

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    直張りにおける外壁塗装は特に重要

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     外壁材に雨の水分が浸み込むと外壁材の劣化が促進され、雨漏りのリスクも高まります。そのため、直貼り・通気構法を問わず、外壁塗装をおこない外壁表面へ防水性を付与してあげることが大切です。 その中でも特に、通気層が設けられていない直張りの場合は外壁材の吸水による影響を受けやすいため注意をして維持をしていかなければいけません。
     外壁塗装は美観性を高めることを目的としておこなわれることも多いのですが、実はお住まいの耐久性を高めてくれることにも繋がるのです。

    通気構法(工法)にはどんなメリット・デメリットがあるの?

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     直張りと比べると、通気工法は部材や工数・工期は多くなるものの、近年の住宅はプレカットとユニット化が進み、工期の短縮化をはかっています。そのため通気構法を選んでも、コストが極端に増えることはありません。

    我が家は直張り?それとも通気構法?見分け方を詳しく説明

    1.建築時期で見分ける

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     新築10年以内の雨漏りに関する保証が必須となっている現在の住宅。施工会社は新築物件では住宅瑕疵担保責任保険に加入しなければなりません。そのガイドラインとして平成21年7月以降より、窯業サイディング・金属サイディングなどの乾式外壁を採用するには通気構法以外は加入できないことになっています。そのため平成21年7月以降に建てられたお住まいであれば通気構法であると判断することができます。

    2.住宅の構造で見分ける

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     土台・水切り金具の上部と外壁の間に7mm前後の隙間がある場合は通気構法の確率が高いでしょう。

     また、通気工法では通気層を設ける必要がありますのである程度の厚みがあります。室内から外壁までがスリムと感じた場合は直張りかもしれません。逆に、厚みがあると感じたら通気構法の可能性が高いです。

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    直張りのサイディングの構造(2000年くらいまでのお住まい)

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    通気構法(工法)のサイディングの構造(2001年以降のお住まい)

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    従来構法(工法)(直張り)のモルタル外壁の構造

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    通気構法(工法)のモルタル外壁の構造

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    ①外壁材(窯業系サイディング・金属サイディング)

     住宅の一番外側に取り付ける壁を外壁材と言います。外壁材の種類は多岐にわたりますが、最近主流なのはサイディング外壁です。セメントと木質系繊維からなる「窯業系サイディング」、メッキ鋼板やアルミ・ステンレスからなる「金属サイディング」があり、どちらも工場で生産されて出荷される時点で塗装が施されています。

    ②透湿性の防水シート

     水を通すことなく、湿気(水蒸気)のみを通す防水性のあるシートです。液体(水)に比べて気体(湿気)の粒子が小さいことから、湿気だけを通すことが可能となっています。

    ③構造用合板

     薄めの板を木目の向きを変化させて張り合わせたものを合板と言います。あらゆる向きから力が加わっても抵抗力を発揮し、木造住宅の耐震性・耐風性を高めることが可能です。

    ④間柱

     「間柱」という名称の通り、柱と柱の間に設けられる柱を指します。間柱は、壁の構成と補強、そして構造用合板を固定する役割もあります。間柱のサイズは、壁の厚みで変化します。

    ⑤断熱材(この図では間柱の間に隠れています)

     断熱材を取り入れることで、お部屋が外気の影響を受けにくくすることができます。外気が暑いときは屋内に暑さを伝えず、逆に屋内の暖かさを保ちたいときも断熱材が効果を発揮します。ガラス繊維や発泡樹脂でできた断熱材があることで、熱の移動をしにくくできます。

    ⑥防湿シート

     水蒸気を通さないシートを防湿シートと言います。昔の住宅では設置されていないケースもあります。壁内に水蒸気が入って結露を引き起こすのを防いでいます。

    ⑦室内下地(合板・石膏ボード)

     室内の下地となる部分です。昔の住宅では、下地がなく化粧合板のケースもありますが、近年では防火性能を持つ石膏ボードが室内下地として採用されるケースが多いです。

    ⑧クロス(壁紙、または化粧合板)

     最近の住宅では、石膏ボードにクロスを張ることが一般的です。また、天然木を内壁にするケースでは、室内下地を兼ねているときもあります。

    ⑨通気層

     今回ご紹介させていただいた、通気構法の場合に設けられる部材です。窯業系サイディングや金属サイディングの内部に通気のための隙間を作り、湿気がこもらないようにします。結露やカビを防げるため、住まいの寿命を長くすることもできます。

    ⑩胴縁(通気胴縁)

     窯業系サイディングや金属サイディングを固定するときに使う下地材を胴縁と言います。通気層を設ける役割を持つものは固定の下地材の役割を担っていることもあり「通気胴縁」とも呼ばれます。また、壁を張る向きで縦胴縁と横胴縁もあります。

    ⑪モルタル(表面の塗装を含む)

     モルタルとは、セメント、砂、水を混ぜて成形された外壁材のことです。塗り壁材であり、職人の技術によって様々な模様を表現することができます。外壁材自体の吸水性が高く、吸水によるひび割れを招きやすいため定期的な塗装で防水性を維持していきましょう。

    ⑫ラス網

     モルタルを付着させるために必要な金網をラス網と言います。ワイヤーが波形になっているのは、付着する部分をより多くするためですね。

    ⑬アスファルトフェルト(防水紙)

     アスファルトフェルトとは、モルタル外壁の下地に使用される「防水紙」のことです。フェルト(フェルト紙)にアスファルトを含ませており、防水性に優れています。

    ⑭木ずり(ラス網と防水紙を固定)

     ラス網と防水紙を固定するための下地を木ずりと言います。幅30mm程度の板、もしくはそれをすのこ状に間柱に打ち付けた下地材のことを指します。

    ⑮木ずり、もしくはモルタル仕上げ用の合板や建材

     現在の通気構法のモルタル外壁用に、「ラス網・防水紙・木ずり」が一体となった建材が使われているケースも増えています。モルタルとの密着性に優れるためモルタルが落ちにくく、地震による揺れへの耐性も高いです。

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