現在、日本国内で最も多く採用されている屋根材は「スレート」ですが、日本人に古くから愛されてきた「瓦屋根」もまだまだ人気があります。
地震大国であるがゆえ、屋根・住宅の軽量化や耐震性の向上が優先されるようになった日本ですが、どうしても瓦に愛着があるといった方も多いのではないでしょうか。
高い耐久性を誇るがゆえにメンテナンスが必要ないと思われがちな瓦屋根ですが、実際には定期的なメンテナンスが欠かせません。
こちらの記事では、瓦屋根の種類やメンテナンス方法をお伝えします。
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更新日 : 2024年03月08日
更新日 : 2024年03月08日
現在、日本国内で最も多く採用されている屋根材は「スレート」ですが、日本人に古くから愛されてきた「瓦屋根」もまだまだ人気があります。
地震大国であるがゆえ、屋根・住宅の軽量化や耐震性の向上が優先されるようになった日本ですが、どうしても瓦に愛着があるといった方も多いのではないでしょうか。
高い耐久性を誇るがゆえにメンテナンスが必要ないと思われがちな瓦屋根ですが、実際には定期的なメンテナンスが欠かせません。
こちらの記事では、瓦屋根の種類やメンテナンス方法をお伝えします。
【動画で確認「瓦の塗装と注意点」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
目次
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瓦をつくる工程の最後で“燻(いぶ)す”ことから「いぶし瓦」と言います。渋い灰色が魅力です。
釉薬(ゆうやく・うわぐすり)で起こる化学反応により発色する「釉薬瓦」。艶のある表面で水が染みづらく耐久性があります。
セメントと砂を混ぜて人工的に瓦の形にして作ったのが「セメント瓦」です。粘土瓦と比べて大量生産できて安いことで流行った時期もありました。
また、セメント瓦を「厚形スレート」ということもあります。これは、スレート屋根がセメントを原料としていることが背景にあるからです。
セメント瓦は顔料を練り込む、もしくは成型した後に塗装で仕上げて塗膜を作って防水性を保っています。そのため、年月とともに塗膜は衰え、いずれ吸水して耐久性が悪くなります。考え方としてはスレート屋根材と同じように、塗装メンテナンスは定期的に行う必要があります。
セメント瓦はかつて耐久性を高めるためにアスベストを含有させていました。アスベストは中皮腫や肺がんなど体への影響があることから、セメント瓦は今ではほぼつくられていません。そのため、セメント瓦に割れが起こった場合、代わりとなる瓦を探すことは難しいです。セメント瓦のメンテナンスは、多くの場合、葺き替え工事となっています。
また、現在の多くのご家庭で選ばれている外壁材「窯業系サイディング」もセメント系です。セメント瓦同様に、塗膜が劣化することで防水性が落ち、水を吸って傷んでしまう建材です。顔料が出て粉っぽくなる「チョーキング現象」が起これば塗膜の劣化サインですから、外壁塗装が必要なタイミングになります。
乾式コンクリート瓦はセメント・骨材・水を混合して作る瓦です。セメント瓦と同様に塗料で塗膜を作って防水性を高める必要があります。
乾式コンクリート瓦はセメント瓦と似ていますが、特徴に違いがあります。乾式コンクリート瓦には「スラリー層」と言われる表面の処理が施されています。コンクリートと同質の無機質着色剤を厚み2~3㎜ほどで塗り、さらにクリアー塗装をします。スラリー層があるため、防水性があり、耐久性もセメント瓦と比べて高いと言われています。
厚みのある瓦は、日常的な雨水はもちろん、強風・台風からも家を守ってくれる頑丈な屋根材です。ただ、台風などで何かが飛んでくるなどの強い衝撃を受けた場合、破損する恐れもあります。ほかの屋根材と同様に、瓦の下にも雨漏りを防ぐための防水紙(ルーフィングシート)が敷かれています。瓦屋根が一部割れた場合、そのままでは防水紙が傷んでしまいます。破損した瓦は、早く補修しなければなりません。
瓦は固定のために棟瓦と平瓦の間に「漆喰」を詰めています。ただ、自然素材の漆喰は年数の経過とともにひび割れが起こって剥がれが見られることもあります。雨水の浸入を許している状況のため、雨漏りも起こりやすくなっています。10年ほどで補修を繰り返すことが大事です。瓦の寿命は長いですが、漆喰は短めの寿命なので劣化したときはもちろん、定期的なメンテナンスが必要です。
棟瓦とは、屋根頂部に積み上げられています。通常、この棟は直線なのですが、「漆喰が劣化した」「地震で揺れた」ことが原因で湾曲、崩れることもあります。棟瓦は本来平瓦の固定と雨の浸入を防ぐ役割があるため、平瓦が落ちるリスク、一層雨漏りのリスクが高まります。
セメント瓦や乾式コンクリート瓦は塗膜の防水性を復活させるために苔の付着などもあり、屋根塗装のメンテナンスが必要ですが粘土瓦は塗装がいりません。実は、粘土瓦の色褪せを改善できる塗料もあります。しかし、塗料の施工が正しく行われず密着できない場合、塗膜が剥離する施工不良が起こり、逆に残念な見た目になります。粘土瓦は、経年による自然な色の変化を楽しむといいかもしれません。
セメント瓦と乾式コンクリート瓦は、瓦の吸水で劣化します。塗膜を守るには、10~15年ほどを目安として塗装しましょう。とは言え、セメント瓦と乾式コンクリート瓦に適した塗装があります。セメント瓦か、乾式コンクリート瓦か見極めることができ、なおかつそれぞれに合った最適な塗装ができる優良業者を選ぶことが大事です。
屋根葺き替えとは、既存の屋根材を撤去、新しい屋根材を葺いていくことです。
などの場合、葺き替え工事のメンテナンスとなります。葺き替えでは防水紙はもちろん、野地板や桟木など下地も一新できます。屋根全体が新しくなるため、今後20年程度は問題なく生活できるかと思います。
これまで瓦屋根に愛着を持っていた方にとっては、葺き替えをして別の屋根材になるのは残念だという気持ちになるかもしれません。そこで、瓦屋根の重厚感などを再現できる「ルーガ雅」「ルーガ鉄平」「ローマン」「クラシックタイル」などのハイブリッド瓦もおすすめできます。
セメント瓦のルーガは、グラッサコートによって色褪せや劣化を防ぎます。工事費用はそれなりにかかるため、高いと感じるかもしれません。しかし、今後の耐久性などを考えると極端に高いわけでもないでしょう。また、これらの4種類の屋根材はカバー工法もできます。
また、葺き直し工事、葺き替え工事のどちらにしても、作業するには足場仮設をします。せっかくの機会ですから、外壁塗装も同時に行うことがおすすめです。
前述したように、セメント瓦と乾式コンクリート瓦は、塗装によって屋根材を保護する必要があります。ところが、これらの瓦は似ているように異なる屋根材です。塗装をするときは、「どちらの瓦なのか」をしっかりと見極め、それぞれに合った塗装をすることが大事です。
セメント瓦は経年によって塗膜が劣化し、だんだん雨水を吸水するようになります。そのうち瓦内のカルシウムが流出し、ザラザラした表面となり割れるリスクが高まります。
注意したいのは、劣化してダメージのある瓦には塗装しても元通りになりません。つまり、瓦が回復不可能なほどに劣化する前に塗装メンテナンスを行うことがポイントです。瓦の寿命を左右するのは、「早めのメンテナンス」と言えるでしょう。
セメント瓦を塗装するときの工程は、一般的な屋根塗装と同様です。ザラザラが目立つ瓦の場合、下塗り時に凹凸を埋めるためにシーラーではなくフィラーを選びます。もし、フィラーを一回塗ってもザラザラしているときは、2回、3回と塗り重ねていきます。
乾式コンクリート瓦の塗装のポイントは「スラリー層」です。瓦が劣化するのを防いでくれるスラリー層は、実は塗装において難易度を高める存在です。
スラリー層は塗膜を保護している層ですから、塗装時にはいったん除去しなければなりません。なぜなら、スラリー層の上に塗装をすると塗膜が剥がれるかもしれないからです。しかしながら、スラリー層は取り除くのがかなり厄介です。その難易度の高さから、昔は「塗装できない」という塗装業者もいました。
今では、スラリー洋瓦用シーラー(水谷ペイント)、ハイルーフマイルドシリコン/フッソ(大同塗料)といった、スラリー層を密着させられる塗料も開発されています。つまり、乾式コンクリート瓦の塗装で重要なポイントは、適切な塗料選びとも言えるでしょう。
セメント瓦と同じ塗装工程ですが、スラリー層の除去のために高圧洗浄などに時間がかかります。結果的に、工期は長引く可能性もあるでしょう。
セメント瓦の特徴は、横から見たときの“木口部分”がツルツルしていることです。また、瓦の裏面には布目模様があって、カッターを使うと傷になります。
乾式コンクリート瓦は、横から見たときの“木口部分”は凹凸しているような印象を受けます。ツルツルのセメント瓦との違いがはっきりしていて分かりやすいでしょう。裏面にメーカー名が記載されているのも特徴です。
また、乾式コンクリート瓦は触れたときに粉が目立ちます。高圧洗浄をしても粉っぽいときは、洗浄が足りない証です。ただ、高圧洗浄時、瓦に付着している汚れが周囲に飛び散るとご近所とのトラブルに発展するリスクもあります。乾式コンクリート瓦の性質を理解して塗装できる業者への依頼もポイントとなるでしょう。
街の外壁塗装やさんは、お住まいの外壁メンテナンスだけでなく、屋根材についてもご相談をお受けしています。住まいを守るためには、全体的な状況を点検しながら、建材の種類や特徴を理解したメンテナンスがかかせません。街の外壁塗装やさんでは、お客様のお住まいをまずは点検。状況を考慮したうえで、最適なメンテナンスを提案できるようにしています。
屋根に起こった雨漏りを放置していると、外壁材の内側へと浸透、それが外壁材の膨れ・剥離を起こすリスクも高まります。屋根をメンテナンスするときは、外壁も一緒に行うことで、気づけなかったダメージにも気づくことがあります。街の外壁塗装やさんでは、外壁をはじめ、屋根材に関しても、全体的な観点で点検や補修を行っています。住まいのことで気になる点があれば、お気軽にお問い合わせください。
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