複雑な工程で工期も長くなり、費用もかかるモルタル外壁は、採用されることが減ってきました。今でこそ、お住まいの外壁と言えば「サイディング」が主流ですが、1990年頃まではモルタル外壁が主流だったのです。おそらく、築30年程のお住まいであればモルタル外壁が圧倒的に多いと思います。段々と数を減らしているモルタル外壁ですが、ほかの外壁材にはない魅力もある優れた外壁材です。
今回は、モルタル外壁の特徴やかつての人気の理由、そしてメンテナンス方法について詳しくお伝えしていきます。
HOME > モルタル外壁のメンテナンス方法とは?外壁塗装前にチェックすべきポイントをご紹介
更新日 : 2023年06月06日
更新日 : 2023年06月06日
複雑な工程で工期も長くなり、費用もかかるモルタル外壁は、採用されることが減ってきました。今でこそ、お住まいの外壁と言えば「サイディング」が主流ですが、1990年頃まではモルタル外壁が主流だったのです。おそらく、築30年程のお住まいであればモルタル外壁が圧倒的に多いと思います。段々と数を減らしているモルタル外壁ですが、ほかの外壁材にはない魅力もある優れた外壁材です。
今回は、モルタル外壁の特徴やかつての人気の理由、そしてメンテナンス方法について詳しくお伝えしていきます。
目次
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【動画で確認「モルタル外壁」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
まず、モルタル外壁が日本で普及した理由についてお話します。
日本の家づくりは、古い時代から木材や茅葺き屋根、白壁、漆喰などの自然素材が使われる傾向にありました。長らく自然ならではの風合いが好まれてきましたが、自然素材は可燃性であることが難点です。
サイディングはボードを張り合わせて施工しますが、モルタルは職人が手作業で塗り上げていく外壁です。セメント・砂に水を混ぜたモルタルを丁寧に塗って仕上げるため、職人の“技術力”が施工後の品質としてはっきりと現れる外壁と言えるでしょう。
また、サイディングと大きく違うのが「継ぎ目」です。サイディングはボード同士の継ぎ目(目地)が必ずできますが、モルタルは塗り壁のために継ぎ目がなく、とても綺麗な仕上がりになります。
近年の家づくりでモルタル外壁が採用されなくなっている理由には、前述したように「複雑な工程」「後期の長さ」「費用の高さ」があげられます。職人の技術が仕上がりを大きく左右するのも敬遠される理由かもしれません。住宅の低コスト化が進んだ現代では、もっぱらサイディング外壁が選ばれるのです。
しかしながら、コストが高くてもモルタルに魅力を感じる方もいます。塗り方によってテクスチャー(模様やパターン)をつけられるため、仕上げ方の自由度が非常に高い外壁です。
現場で職人が丁寧に描き上げる外壁なので、お客様のご要望に合わせることができます。
前述しましたが、近年では「ジョリパット」仕上げが人気です。ジョリパットは、モルタルの仕上げ材の“商品名”で、40年近い歴史を持っているモルタル外壁用意匠性塗材です。
モルタルは、「砂・水・セメント」を混ぜた建材ですが、モルタル自体には防水性がありませんので、モルタル表面に塗料を塗布することで防水性を確保します。この仕上げ方法が「リシン」や「スタッコ」などです。
ジョリパットは、モルタルの外側に塗る塗材のことです。柔軟性があり、建物の動きに追従できるジョリパットには、ひび割れが起こりづらいという特徴があります。そのため耐久性が高く、メンテナンススパンは15~20年ほどと長めです。ただし、汚れなどは付着しますので、防水性が衰えた頃には塗り替えが必要となります。
また、ジョリパットは外壁だけでなく内装材としても使えます。ホルムアルデヒドの放散量が少ない「F☆☆☆☆の塗材」ですから、屋内で使っても安心感があり、デザインも多彩です。
ジョリパットは、砂と塗材を混ぜてモルタルの上から塗り上げます。塗料をスプレーで塗るときと違い、コテで模様をつけながら表面に立体感を出すのが特徴です。モルタル外壁からイメージチェンジをされたい方にはおすすめです。
1ヵ月に1度くらいは点検してあげましょう!
モルタル外壁の劣化を防ぐポイントは「早めの気づき」と「早めのメンテナンス」です。 “初期症状”のうちに気づければ、補修も軽微で済みます。家の周りを掃除しているとき、お庭でくつろいでいるときなど、ぜひ外壁を見渡してチェックしてみましょう。もし、異変があったら早めに業者に相談することが大事です。時間が経ち、劣化が進めば進むほど補修費用は高くなります。ただし、2階などの高い場所にある外壁は注意してください。無理に高所の点検を行うのは大変危険です。地上から見える範囲を目視するだけに留めて、定期的にチェックしましょう。また、台風や暴風あったときなども、必ず状態を確認しましょう。
台風被害というと、屋根が飛ぶような被害を想像されるかもしれませんが、モルタル外壁が剥がれ落ちるといった事例も数多くあります。2019年の台風15号の際には、実際に「モルタル外壁が剥離した」というご相談をいただいたこともあります。被害を受けるケースの多くは、「築年数が経っている」「メンテナンスをしていない」「もともとひび割れ(クラック)が起こっていた」といった背景があります。自然災害による思いがけない被害を被る前に、街の外壁塗装やさんの無料点検をご活用ください。
〇ザラザラとしたモルタル外壁の表面は汚れが付きやすくなります。
外壁表面の汚れは、苔・藻、カビの発生につながります。カビのような菌類、苔のような植物は、放置するとどんどん繁殖します。菌糸・根がモルタルに根付くので、汚れを落とすのも大変になります。見つけたときは、丁寧に優しく擦って汚れを落としましょう。
どんな外壁にも同じことが言えますが、苔・藻などは「日光の当たりづらい面」「風通しがよくない狭小地」「湿気のこもる1階外壁」に起こりやすいです。
〇モルタルは乾燥・硬化する過程で収縮が起こりやすい建材です。そのため、ひびも発生しやすくなります。
かつてのモルタル外壁はひび割れが起こりやすかったものの、近年では下地にメッシュや添加剤を入れることでひび割れを予防できるようになりました。ただし、やはりほかの外壁と比べるとひび割れが起こりやすい傾向にあります。
優れた腕を持つ経験豊富な職人が施工しても、モルタルの“ひび割れ”を100%防ぐことはできません。天候や立地が大きく影響する問題でもあるため、どこまでいってもモルタル外壁には「ひび割れ」がついて回ります。「ひび割れが起こるものだ」という前提の上で対策や予防などを行うことが大事です。また、ひび割れと言ってもすべてが危険に直結するわけではありません。ひび割れの幅によって危険度が変わるので、チェックする際に覚えておきましょう。
幅0.3mm未満のひび割れ
(ヘアークラック)
幅0.3mmに満たないひび割れ(ヘアークラック)は、築年数が浅いお住まいでもよく見られます。髪の毛の太さほどのひび割れで、雨漏りなどの被害につながる可能性は低いです。しかし、ひび割れの規模が大きくなるとその限りではありませんので、油断せず定期的にチェックしましょう。
幅0.3mm以上のひび割れ
(構造クラック)
構造クラックとは、幅0.3mm以上で深さ5mm以上のひび割れを指します。名刺が挟まるほどのサイズであれば、すぐにでも補修が必要です。雨水が浸入して雨漏りを起こす可能性が高く、外壁が剥がれ落ちる可能性も考えられます。剥落した外壁が人に当たってしまえば命に係わる問題になります。
〇モルタル自体は防水性がなく、サイディングと同様に塗装されています。塗膜は年々劣化するため、色褪せやチョーキング現象が起きていないかチェックしましょう。
外壁の色褪せは、塗膜が劣化する際の初期症状です。外壁を保護する力が落ちているので、塗装で防水性を復活させる必要があります。色褪せた状態を見過ごしていると、次第にチョーキング現象(白亜化)という、外壁表面に粉状のものが付着する現象が起こります。色褪せよりも劣化が進んでいる証拠です。
塗料は、色彩をつける「顔料」、塗膜の主成分となる「樹脂」、そのほか防苔や防カビ機能を発揮する「添加剤」から成り立っています。塗膜が紫外線のダメージを受けると主成分である樹脂が分解され、樹脂に内包されていた顔料が浮き出てきます。これがチョーキング現象です。つまり、外壁を触って粉っぽくなっていれば、塗膜の主成分が分解されて防水性能が低下している状態です。その後は外壁自体がダメージを受けてしまいますので、なるべく早急に塗装が必要です。
〇何も問題がなければ、リシンやスタッコなどの吹き付けに「浮き」「剥がれ」は起こりません。
モルタル外壁にひび割れ(クラック)が起こって浸水していると、内部に湿気が溜まって塗膜に膨れを起こすケースがあります。
〇外壁にできたクラックの規模が大きくなっていませんか?
前述したように、幅0.3mm未満のヘアークラックなら、「今すぐに危険」ということはありません。しかし、そのクラックがいつまでも同じ状態とはいいきれません。クラックの幅、長さ、広がりなど、進行していないか定期的に様子を見ましょう。
特に気をつけてチェックしたいのが、地震や強風などの後です。それだけでなく、「季節ごと」「何か月ごと」など決めながら、定期的に点検することが大事です。目視でチェックするだけでもいいのですが、効果的なのが写真で記録を残しておくことです。同じ位置から同じ箇所を取っておくと、クラックやひび割れの変化が分かりやすくなります。
外壁についた汚れや苔・藻、カビは、手洗いで落とすことができます。酸性・アルカリ性の洗剤は外壁に悪影響を及ぼすことがあるので、使わないようにしましょう。洗剤を使うならキッチン用の中性洗剤を選びましょう。柔らかいブラシに中性洗剤を含ませ、優しく擦ってから水で丁寧に洗い流します。その後、水分を吸うために乾いた布をあてましょう。ただ、ご自身での洗浄は、軽い汚れなどには効果がありますが「ひどい汚れ」「苔・藻・カビの繁殖」などにはあまり効果が見込めないかもしれません。
また、外壁の汚れ落としとして知られる高圧洗浄機やスチームクリーナーですが、これらは塗膜を傷つけ、外壁が傷めてしまう可能性が高いので使用は控えましょう。また、「汚れがなかなか落ちない」「汚れは落とせたものの色褪せが目立つ」という状況なら、モルタル外壁の塗り替えサインと考えましょう。
0.3mm未満のヘアークラックは幅が狭いため、そのまま外壁塗装することができます。下塗り材で塗装すると目立たなくなります。ただし、選ぶ塗料は弾性・微弾性塗料から選ぶようにしましょう。塗装後に「クラックが拡大した」「別のクラックが出現した」といった場合にも弾性塗料なら動きに合わせて塗膜が追随できるので、塗膜が裂けたりせずに済みます。しかし、水分を含んだモルタル外壁に弾性塗料を塗った場合、「塗膜の膨れ」「剥がれ」が起こるリスクもあります。透湿性のある塗料かどうかもチェックするといいでしょう。
「0.3mm未満のヘアークラックしかない」「チョーキング現象が起こっている」どちらも満たす場合には、防水性を復活させるために外壁塗装をしましょう。今後クラックが起こるリスクもふまえ、現時点でのクラックの有無にかかわらず、塗料は「弾性・微弾性塗料」がおすすめです。モルタルのクラックは、新築後から起こるリスクがあります。だいたい7年もすれば乾燥・収縮がいったん落ち着く傾向にあるので、その後はあまりクラックは発生しないことが多いです。
一般的な外壁では、新築後10年もすれば塗り替え時期です。しかし、モルタルは新築してから7年ほどが塗り替え時期と言えるでしょう。
湿気によって塗膜に浮き・膨らみが起こっていれば、まずは部分的に剥がしてからモルタルの塗り直しと吹き付け塗装を行い、さらにリシンやスタッコで模様付けをしていきます。塗膜が膨らんでいるのは「水分が溜まっている」というサインのため、早めに対処しなければなりません。何もせずにいると塗膜の浮きは周囲に大きく広がることもあります。
深いクラックが起こっていると、雨水の浸入や外壁の剥落のリスクが高まります。原因となっている構造クラックは補修が必要です。まずは、クラック部分に溜まった汚れや古い塗膜を綺麗に清掃します。その後、プライマーで滑らかにしシーリング剤・モルタル補修をしていきます。
補修材はクラックの内部に充填しなければなりません。ケースバイケースですが、幅の大きなクラックならVカット・Uカットなどを施してからの補修が必要です。
また、「今にも剥がれ落ちそう」というケースなら、壁にビス止めで対処することもあります。クラックを補修する際、跡が目立たないように、応急処置を除いては、多くの場合は外壁塗装にあわせて工事をします。
お伝えしているように、モルタル外壁はひび割れが起こりやすいのが特徴です。しかも、劣化が進んでいるほどに補修には手間がかかるため、費用もかさみます。
つまり、モルタル外壁は劣化する前がメンテナンス時期です。新築後、はじめて塗装するときは築5~10年目頃を目安にしましょう。そして、2回目以降なら「前回使った塗料がどのくらいの耐用年数か」「チョーキング(白亜化)や汚れ、色あせ、ひび割れが起こっているか」など、状況に合わせてメンテナンスをしましょう。
クラックをしっかりと補修して塗装できる、モルタルのパターン付けができる業者に依頼すること、そしてモルタル外壁に合った塗料を選ぶことが大事です。また、まるで劣化する前のように違和感なく補修するのは高度な技術が求められます。
価格だけ安く、腕の悪い塗装業者に依頼してしまうと、結果的に剥がれ、膨れなどのリスクをともないます。正しい工程で丁寧な補修をしてくれる信頼性のある塗装業者に依頼しなければなりません。
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